ワインとチーズとバレエと教授【番外編】
【理緒】エピソード
1
理緒は真新しい
セーラー服に身を包んでいた。
15歳の春、理緒は地元で
名門女子高校に合格した。
毎日、酒を浴びるように飲み
母や理緒を殴る父親は
去年、母と離婚し家を出ていった。
正直、理緒はせいせいしていた。
理緒の身体は父親の暴力によって
全身、アザだらけだった。
学校の教師が心配し
家に電話してくれたこともあったが
その度に、父親は教師に
殴る勢いで反論し、
その日の夜、理緒はもっと
暴力を受け、食事も拔かされ
グッタリしていた。
かと言って母親が
助けてくれる訳でもない。
母も自分も暴力を振るわれるのを恐て
パジャマ姿の理緒を
真冬の外にほうり出し
「お父さんの機嫌が悪いのは
アンタのせいよ!」
と、怒鳴った。
理緒は自分が無力だと実感した。
母親も父親も、
居ても居なくても
変わらない。
むしろ、いない方が
安心して眠れる。
いつも家にいない母が
時々家に帰ってくるときは
男と縁が切れたときか
服をクリーニングに
出すときくらいだ。
その日も一人ぼっちで、
残ったご飯をお茶漬けにして
食べていたとき、
ふと、理緒は思い至った。
セーラー服に身を包んでいた。
15歳の春、理緒は地元で
名門女子高校に合格した。
毎日、酒を浴びるように飲み
母や理緒を殴る父親は
去年、母と離婚し家を出ていった。
正直、理緒はせいせいしていた。
理緒の身体は父親の暴力によって
全身、アザだらけだった。
学校の教師が心配し
家に電話してくれたこともあったが
その度に、父親は教師に
殴る勢いで反論し、
その日の夜、理緒はもっと
暴力を受け、食事も拔かされ
グッタリしていた。
かと言って母親が
助けてくれる訳でもない。
母も自分も暴力を振るわれるのを恐て
パジャマ姿の理緒を
真冬の外にほうり出し
「お父さんの機嫌が悪いのは
アンタのせいよ!」
と、怒鳴った。
理緒は自分が無力だと実感した。
母親も父親も、
居ても居なくても
変わらない。
むしろ、いない方が
安心して眠れる。
いつも家にいない母が
時々家に帰ってくるときは
男と縁が切れたときか
服をクリーニングに
出すときくらいだ。
その日も一人ぼっちで、
残ったご飯をお茶漬けにして
食べていたとき、
ふと、理緒は思い至った。