転生したらエルフの幼女でした。前世と同じように過ごしているだけなのに頑張り過ぎだと言われ、神童と呼ばれています。人間の国で王子の家庭教師をやらされる事になったけど、お菓子が美味しいので頑張ります。
第10話 魔法学校
両親を説得し、長老が学校へ話を通した数日後。
学校側の準備期間を経て、ついに入学の日となった。
学校までは、長老が魔法で連れて行ってくれるそうだ。
「ではソフィア。行こうかの」
「はいっ!」
「レビテーション」
長老さんが風魔法を使うと、二人の空高くに舞い上がり、大きな森の上へ。
わぁー。エルフの森ってこんなに広いんだ。
これ、歩いて森を出るのは無理じゃないかな?
「加速するぞ」
長老がそう言うと、ピューンと一気に加速して、大きな森を文字通り飛び越える。
「長老さん。この魔法って、私も使えるようになるかなー?」
「うむ。ソフィアなら間違いなく使えるようになるじゃろ。ただ、その……い、今使おうとするのはやめておくのじゃ」
いやまぁ、魔力がコントロール出来ない状態で、こんな魔法を使えばどうなるかは、容易に想像出来るからね。
魔法学校でしっかり魔力のコントロール方法を学んでから使うようにしよう。
それから少しすると、下の方に小さく建物が見え始めた。
「長老さん。あれが、人間の街?」
「うむ。エルフの森から一番近い場所にある人間の街じゃ」
「へぇー!」
ここから見ると、家が小さく見えるんだけど、一体どれくらいの高さなんだろう。
そんな事を考えていると、長老が少しずつ高度を下げていく。
うーん。どこに着地するつもりなのかは分からないけど、結構目立っていそうな気がする。
大丈夫? 人が空を飛んできた……って、変な噂にならない?
そんな私の心配を他所に、長老さんが目の前を指さす。
「あそこに大きな建物があるじゃろ? あれが魔法学校じゃ」
「本当だ……大きい! あんなに大きな校舎を作るなんて、凄いんだね」
「そうか? ワシも本気を出せば、あれくらいの建物など、簡単に作れるんじゃぞ?」
「そうなの?」
「う、うむ。よ、余裕じゃ……」
へぇー。やっぱり魔法って凄いんだ。
こんなに大きな建物を長老一人で建てられるなら、大工さんとかが居ない世界なのかな?
いやでも、全員が長老みたいな魔法の達人って訳じゃないから、大工さんが居ないって事はないか。
いずれにせよ、私も魔法で手に職をつけられるように頑張らないと。
成人まで、たったの五年。そう考えると、三ヶ月で卒業出来るのは本当にありがたいわね。
「そうじゃ。言い忘れておったが、魔法学校にいる間はワシの事を長老ではなく、お爺ちゃんと呼ぶ事。良いな?」
「え? どうして?」
「どうしてもじゃ」
よく分からないけど、何か理由がありそうなので、従っておこうかな。
そんな話をしている内に、いつの間にかかなり高度が下がっていて、魔法学校のバルコニーへ降り立つ。
すると、建物の中から、慌てた様子の男性が現れた。
「長老様! 本日、お孫さんと来られるとは聞いておりましたが、空からとは聞いておりませんよ」
「はっはっは。いつも転移魔法ばかりでは味気ないかと思ってな。孫にこの辺りの地理も見せたかったのじゃよ」
「さ、左様ですか。えっと、今のお話からすると、そちらのお嬢様がお孫さんでしょうか」
「うむ。ワシの可愛い可愛い、とても大切な孫のソフィアじゃ。くれぐれも宜しく頼むぞ」
「畏まりました。それでは、お嬢様をお預かりさせていただきます」
そう言って、男性が深々と頭を下げたんだけど……そもそもこの人は誰なんだろう。
「長……お爺ちゃん。この人は?」
「ワシの友人の息子……いや、孫じゃ。この学校の現学園長じゃ」
「えっ!? そ、そうなんですね。えーっと、ソフィアです。これから、お世話になります」
長老は学園長を友達って感じで話していたけど、あんまりそんな風に見えないかも。
何となく、お客様扱いされている気がする。
それとも親しき中にも礼儀ありって事なのかな?
「では、ソフィアよ。ワシは一旦エルフの森へ帰る。何かあったら、すぐに呼ぶのじゃぞ。いつでも助けに来るからな」
「助けを呼ぶような事なんてないと思うけど……わかった。お爺ちゃん、ありがとう」
「ほっほっほ。ではな……テレポート」
長老さんが来た時とは別の魔法を使い、一瞬で姿を消してしまった。
……空から来たのは目立っちゃった気がするし、今の魔法で連れてきて欲しかったな。
そんな事を考えていると、
「では、ソフィア様。こちらへどうぞ。皆を紹介いたします」
「あ、はい。わかりました」
担任の先生とかを紹介してくれるのかな?
そんな事を考えながら、学園長さんについて行く事にした。
学校側の準備期間を経て、ついに入学の日となった。
学校までは、長老が魔法で連れて行ってくれるそうだ。
「ではソフィア。行こうかの」
「はいっ!」
「レビテーション」
長老さんが風魔法を使うと、二人の空高くに舞い上がり、大きな森の上へ。
わぁー。エルフの森ってこんなに広いんだ。
これ、歩いて森を出るのは無理じゃないかな?
「加速するぞ」
長老がそう言うと、ピューンと一気に加速して、大きな森を文字通り飛び越える。
「長老さん。この魔法って、私も使えるようになるかなー?」
「うむ。ソフィアなら間違いなく使えるようになるじゃろ。ただ、その……い、今使おうとするのはやめておくのじゃ」
いやまぁ、魔力がコントロール出来ない状態で、こんな魔法を使えばどうなるかは、容易に想像出来るからね。
魔法学校でしっかり魔力のコントロール方法を学んでから使うようにしよう。
それから少しすると、下の方に小さく建物が見え始めた。
「長老さん。あれが、人間の街?」
「うむ。エルフの森から一番近い場所にある人間の街じゃ」
「へぇー!」
ここから見ると、家が小さく見えるんだけど、一体どれくらいの高さなんだろう。
そんな事を考えていると、長老が少しずつ高度を下げていく。
うーん。どこに着地するつもりなのかは分からないけど、結構目立っていそうな気がする。
大丈夫? 人が空を飛んできた……って、変な噂にならない?
そんな私の心配を他所に、長老さんが目の前を指さす。
「あそこに大きな建物があるじゃろ? あれが魔法学校じゃ」
「本当だ……大きい! あんなに大きな校舎を作るなんて、凄いんだね」
「そうか? ワシも本気を出せば、あれくらいの建物など、簡単に作れるんじゃぞ?」
「そうなの?」
「う、うむ。よ、余裕じゃ……」
へぇー。やっぱり魔法って凄いんだ。
こんなに大きな建物を長老一人で建てられるなら、大工さんとかが居ない世界なのかな?
いやでも、全員が長老みたいな魔法の達人って訳じゃないから、大工さんが居ないって事はないか。
いずれにせよ、私も魔法で手に職をつけられるように頑張らないと。
成人まで、たったの五年。そう考えると、三ヶ月で卒業出来るのは本当にありがたいわね。
「そうじゃ。言い忘れておったが、魔法学校にいる間はワシの事を長老ではなく、お爺ちゃんと呼ぶ事。良いな?」
「え? どうして?」
「どうしてもじゃ」
よく分からないけど、何か理由がありそうなので、従っておこうかな。
そんな話をしている内に、いつの間にかかなり高度が下がっていて、魔法学校のバルコニーへ降り立つ。
すると、建物の中から、慌てた様子の男性が現れた。
「長老様! 本日、お孫さんと来られるとは聞いておりましたが、空からとは聞いておりませんよ」
「はっはっは。いつも転移魔法ばかりでは味気ないかと思ってな。孫にこの辺りの地理も見せたかったのじゃよ」
「さ、左様ですか。えっと、今のお話からすると、そちらのお嬢様がお孫さんでしょうか」
「うむ。ワシの可愛い可愛い、とても大切な孫のソフィアじゃ。くれぐれも宜しく頼むぞ」
「畏まりました。それでは、お嬢様をお預かりさせていただきます」
そう言って、男性が深々と頭を下げたんだけど……そもそもこの人は誰なんだろう。
「長……お爺ちゃん。この人は?」
「ワシの友人の息子……いや、孫じゃ。この学校の現学園長じゃ」
「えっ!? そ、そうなんですね。えーっと、ソフィアです。これから、お世話になります」
長老は学園長を友達って感じで話していたけど、あんまりそんな風に見えないかも。
何となく、お客様扱いされている気がする。
それとも親しき中にも礼儀ありって事なのかな?
「では、ソフィアよ。ワシは一旦エルフの森へ帰る。何かあったら、すぐに呼ぶのじゃぞ。いつでも助けに来るからな」
「助けを呼ぶような事なんてないと思うけど……わかった。お爺ちゃん、ありがとう」
「ほっほっほ。ではな……テレポート」
長老さんが来た時とは別の魔法を使い、一瞬で姿を消してしまった。
……空から来たのは目立っちゃった気がするし、今の魔法で連れてきて欲しかったな。
そんな事を考えていると、
「では、ソフィア様。こちらへどうぞ。皆を紹介いたします」
「あ、はい。わかりました」
担任の先生とかを紹介してくれるのかな?
そんな事を考えながら、学園長さんについて行く事にした。