転生したらエルフの幼女でした。前世と同じように過ごしているだけなのに頑張り過ぎだと言われ、神童と呼ばれています。人間の国で王子の家庭教師をやらされる事になったけど、お菓子が美味しいので頑張ります。
第13話 風の初級魔法
制服に着替えて訓練場へ行くと、私待ちだったみたいで、早速授業が開始される。
「今日は、魔法理論で取り扱っている初級風魔法の予定でしたが……せっかくエルフのソフィアさんがいるので、まずはソフィアさんに本場の魔法を見せてもらいましょう」
「ま、待ってください。お爺ちゃんから聞いていませんか? 私、魔力のコントロールが出来ないんです」
「えぇ、聞いております。何でも魔法を使用すると、通常よりも高すぎる効力が現れてしまうんですよね?」
いやあの、学園長さん。
そこまで知っていて、どうして私に魔法を使わせようとするの?
大変な事になるわよ?
「あの、使う魔法の種類によっては、最悪この建物が壊れてしまうんじゃないかって程なんですけど」
「はっはっは、ご安心を。ここは私の祖父が作った建物で、対魔法の防御結界が組み込まれています。余程の事がない限り、壊れたりしませんよ」
「はぁ……そうまで仰るなら」
学園長さんが良いって言っているから……大丈夫よね?
というか今更だけど、全力で魔法を使って現状を見て貰わないと、指導も出来ないか。
エルフの魔法を見せてもらう……と言いながら、実は私の現状確認をしようとしてくれているのだとようやく気付き、全力で魔法を使う事にした。
「えっと、初級の風魔法の方が良いんですよね?」
「そうですね。その方が、先程の授業で話した理論の実践となるので、良いかと思います」
「わかりました。では……ウインド!」
ただ風を起こすだけの基礎の基礎の魔法を使用すると、建物の中だけど風が吹き始めた。
だけど、私が魔力のコントロールが出来ていないが故に、かなり強い風になっている。
それだけなら、私も想定通りだったんだけど、この訓練場が球状だからか、風がグルグルと周囲を回り……えーっと、竜巻みたいになっているんだけど。
「が、学園長! これ、本当に大丈夫なんですか!?」
「す、凄い……これがエルフの魔法! 長老のテレポートは二回見た事がありますが、攻撃魔法は始めて見ました」
「あの、これは攻撃魔法じゃなくて、ただ風を起こすだけの初級魔法なんですけど! というか、竜巻に吸いよせられて、床がはがれかけてますよっ!」
「おっと、そろそろマズいですね。では……ディスペル!」
私が使った初級魔法の効力を見て、学園長さんが大慌てで何の魔法を使用する。
すると、私の風魔法で発生してしまった竜巻が消え……ないんだけど!
「あの、学園長さん? 早く何とかした方が良くないですか!?」
「いえ……おかしいですね。魔法を打ち消す魔法を使ったんですが……やはりエルフの魔法は威力が違うという事でしょうか」
「のんびり考察をしている場合じゃないですってば! 早く次の手を……」
「えぇ、もちろんです。風魔法には、昔から土魔法と決まっていますから、大丈夫です。次は、本気でいきます!」
何がどう大丈夫なのかは分からないけれど、やけに自身たっぷりの学園長が、悠然と魔法を使用する。
「ストーン!」
学園長の魔法によい、竜巻の上に巨大な石が現れた。
なるほど。これで竜巻を止め……あれ? 石が床に触れる前に風の力で持ち上げられて、クルクル回転しているんだけど。
「……学園長さん。これ、非常に危険じゃないですか?」
「そ、そうですね! 全員、下がりましょう!」
全員で訓練場の外側にある観客席まで下がると、石の回転がどんどん速くなって行って、上に……
「あっ!」
「あぁぁぁっ! く、訓練場がっ! 今まで一度も魔法で壊れた事のない、訓練場がぁぁぁっ!」
高速回転する石が竜巻によって飛ばされ、天井に大穴を開けてしまった。
こ、これ。私は悪くない……よね?
「今日は、魔法理論で取り扱っている初級風魔法の予定でしたが……せっかくエルフのソフィアさんがいるので、まずはソフィアさんに本場の魔法を見せてもらいましょう」
「ま、待ってください。お爺ちゃんから聞いていませんか? 私、魔力のコントロールが出来ないんです」
「えぇ、聞いております。何でも魔法を使用すると、通常よりも高すぎる効力が現れてしまうんですよね?」
いやあの、学園長さん。
そこまで知っていて、どうして私に魔法を使わせようとするの?
大変な事になるわよ?
「あの、使う魔法の種類によっては、最悪この建物が壊れてしまうんじゃないかって程なんですけど」
「はっはっは、ご安心を。ここは私の祖父が作った建物で、対魔法の防御結界が組み込まれています。余程の事がない限り、壊れたりしませんよ」
「はぁ……そうまで仰るなら」
学園長さんが良いって言っているから……大丈夫よね?
というか今更だけど、全力で魔法を使って現状を見て貰わないと、指導も出来ないか。
エルフの魔法を見せてもらう……と言いながら、実は私の現状確認をしようとしてくれているのだとようやく気付き、全力で魔法を使う事にした。
「えっと、初級の風魔法の方が良いんですよね?」
「そうですね。その方が、先程の授業で話した理論の実践となるので、良いかと思います」
「わかりました。では……ウインド!」
ただ風を起こすだけの基礎の基礎の魔法を使用すると、建物の中だけど風が吹き始めた。
だけど、私が魔力のコントロールが出来ていないが故に、かなり強い風になっている。
それだけなら、私も想定通りだったんだけど、この訓練場が球状だからか、風がグルグルと周囲を回り……えーっと、竜巻みたいになっているんだけど。
「が、学園長! これ、本当に大丈夫なんですか!?」
「す、凄い……これがエルフの魔法! 長老のテレポートは二回見た事がありますが、攻撃魔法は始めて見ました」
「あの、これは攻撃魔法じゃなくて、ただ風を起こすだけの初級魔法なんですけど! というか、竜巻に吸いよせられて、床がはがれかけてますよっ!」
「おっと、そろそろマズいですね。では……ディスペル!」
私が使った初級魔法の効力を見て、学園長さんが大慌てで何の魔法を使用する。
すると、私の風魔法で発生してしまった竜巻が消え……ないんだけど!
「あの、学園長さん? 早く何とかした方が良くないですか!?」
「いえ……おかしいですね。魔法を打ち消す魔法を使ったんですが……やはりエルフの魔法は威力が違うという事でしょうか」
「のんびり考察をしている場合じゃないですってば! 早く次の手を……」
「えぇ、もちろんです。風魔法には、昔から土魔法と決まっていますから、大丈夫です。次は、本気でいきます!」
何がどう大丈夫なのかは分からないけれど、やけに自身たっぷりの学園長が、悠然と魔法を使用する。
「ストーン!」
学園長の魔法によい、竜巻の上に巨大な石が現れた。
なるほど。これで竜巻を止め……あれ? 石が床に触れる前に風の力で持ち上げられて、クルクル回転しているんだけど。
「……学園長さん。これ、非常に危険じゃないですか?」
「そ、そうですね! 全員、下がりましょう!」
全員で訓練場の外側にある観客席まで下がると、石の回転がどんどん速くなって行って、上に……
「あっ!」
「あぁぁぁっ! く、訓練場がっ! 今まで一度も魔法で壊れた事のない、訓練場がぁぁぁっ!」
高速回転する石が竜巻によって飛ばされ、天井に大穴を開けてしまった。
こ、これ。私は悪くない……よね?