転生したらエルフの幼女でした。前世と同じように過ごしているだけなのに頑張り過ぎだと言われ、神童と呼ばれています。人間の国で王子の家庭教師をやらされる事になったけど、お菓子が美味しいので頑張ります。
第31話 謎の洞窟
「ソフィアさん、こちらです」
「……洞窟?」
「はい。独白の部屋は誰にも立ち入って欲しくなかったようで、こんな場所に作られたそうです」
エドワードに案内してもらって行ったのは、屋敷から結構離れた……でも敷地内にある地下の洞窟の入口。
それにしても、エドワードの家はどれだけ広いのよ。
そんな事を思いつつ、洞窟の中へ入る事に。
「坊ちゃま。お気をつけて……」
「大丈夫だよ。ソフィアさんは僕が絶対に守るから」
場所が場所なので、メイドさんたちは洞窟の中に入らないようにとエドワードから話があり、私と二人だけで中へ。
少し進むと光が届かなくなるので、エドワードが準備していたカンテラに火を灯し、奥へと進む。
「エドワードは何度かここへ来ているの?」
「はい。とはいえ、攻撃されるという話は聞いていたので、途中までしか行った事がないのと、扉の攻撃というのが、どのような攻撃なのかは僕も知らないんです」
洞窟が崩壊するような攻撃方法でなければ良いんだけど……まぁ私も間違っても洞窟が壊れるような魔法は使っちゃダメだけどね。
しかし……エドワードは気付いているだろうか。
背後から、私たちを監視するような視線が付かず離れずで、ついて来ている事に。
おそらく、いつも姿を現さずに馬車へ視線を向けている人と同じだと思う。
つまり、狙いはエドワード。
幸いエドワードが鎧に身を包んでいるので、そう簡単にケガをする事はないと思うけど、上半身は守られていても下半身は普通の革のズボンだし、何より扉に攻撃されている間に、後ろから攻撃されるというのは避けたい。
「そうだ! エドワード。ちょっと止まってくれる?」
「どうされました? 休憩にしましょうか?」
「ううん。少し止まってくれるだけで……うん。これで大丈夫よ」
エドワードの鎧に、以前馬車に使用したのと同じ、「防御」と書いた魔法を使用しておいた。
これで、更に安全度が増したと思う。
とはいえ、油断は禁物。背後に意識を向けながら歩いていると、
「ソフィアさん。ここからは足元が悪いようですので、手を」
「え? えぇ、ありがとう」
エドワードが鎧の小手を外して私に手を出す。
いつものエスコートと同じように、エドワードの手を取った私は、背後にずっと気を取られ、足場が悪いところを抜けても、手を離すのを忘れてそのまま歩いて行く。
これが何かのきっかけになったのか、それとも単に場所の都合なのかはわからないけど、ついに背後の人物が動いた!
これまでずっと一定の許可を取っていたのに、どんどん距離を詰めてくる。
エドワードは私が守る……と、無意識に繋いだ手に力を込めると、
「ソフィアさんっ! 気を付けてください! 何か……いますっ!」
エドワードが声を上げる。
カンテラの灯りが届かない所で闇が濃くなっているような気がして、私たちが歩みを進めると……見た事のない生き物が居た。
ライオンみたいな身体んだけど、その尻尾が大きなサソリの尻尾みたいになっている。
「ま、マンティコアっ!? どうして、そんなのがここにっ!?」
「エドワード。あれって、危険な魔物……よね?」
「人を喰らう魔物として有名で……ですが、この洞窟は王宮の敷地内ですので、魔物なんて居ないはずなのにっ!」
エドワードがマンティコアと呼んだ魔物が、ゆっくりと近付いて来た。
居ないはずの魔物だけど……そう言えば、近付いてきていたはずの背後の人物が居なくなっている。
まさか、その人物がこの魔物を呼び出した……?
普通はそんな事出来ないと思うけど、ここは魔法が存在する世界。
いわゆる召喚魔法みたいなのもあるかもしれない。
そんな事を考えていると、
「ソフィアさん! 下がってください!」
盾を構えたエドワードが、私を庇うようにしてマンティコアの前に躍り出た。
「……洞窟?」
「はい。独白の部屋は誰にも立ち入って欲しくなかったようで、こんな場所に作られたそうです」
エドワードに案内してもらって行ったのは、屋敷から結構離れた……でも敷地内にある地下の洞窟の入口。
それにしても、エドワードの家はどれだけ広いのよ。
そんな事を思いつつ、洞窟の中へ入る事に。
「坊ちゃま。お気をつけて……」
「大丈夫だよ。ソフィアさんは僕が絶対に守るから」
場所が場所なので、メイドさんたちは洞窟の中に入らないようにとエドワードから話があり、私と二人だけで中へ。
少し進むと光が届かなくなるので、エドワードが準備していたカンテラに火を灯し、奥へと進む。
「エドワードは何度かここへ来ているの?」
「はい。とはいえ、攻撃されるという話は聞いていたので、途中までしか行った事がないのと、扉の攻撃というのが、どのような攻撃なのかは僕も知らないんです」
洞窟が崩壊するような攻撃方法でなければ良いんだけど……まぁ私も間違っても洞窟が壊れるような魔法は使っちゃダメだけどね。
しかし……エドワードは気付いているだろうか。
背後から、私たちを監視するような視線が付かず離れずで、ついて来ている事に。
おそらく、いつも姿を現さずに馬車へ視線を向けている人と同じだと思う。
つまり、狙いはエドワード。
幸いエドワードが鎧に身を包んでいるので、そう簡単にケガをする事はないと思うけど、上半身は守られていても下半身は普通の革のズボンだし、何より扉に攻撃されている間に、後ろから攻撃されるというのは避けたい。
「そうだ! エドワード。ちょっと止まってくれる?」
「どうされました? 休憩にしましょうか?」
「ううん。少し止まってくれるだけで……うん。これで大丈夫よ」
エドワードの鎧に、以前馬車に使用したのと同じ、「防御」と書いた魔法を使用しておいた。
これで、更に安全度が増したと思う。
とはいえ、油断は禁物。背後に意識を向けながら歩いていると、
「ソフィアさん。ここからは足元が悪いようですので、手を」
「え? えぇ、ありがとう」
エドワードが鎧の小手を外して私に手を出す。
いつものエスコートと同じように、エドワードの手を取った私は、背後にずっと気を取られ、足場が悪いところを抜けても、手を離すのを忘れてそのまま歩いて行く。
これが何かのきっかけになったのか、それとも単に場所の都合なのかはわからないけど、ついに背後の人物が動いた!
これまでずっと一定の許可を取っていたのに、どんどん距離を詰めてくる。
エドワードは私が守る……と、無意識に繋いだ手に力を込めると、
「ソフィアさんっ! 気を付けてください! 何か……いますっ!」
エドワードが声を上げる。
カンテラの灯りが届かない所で闇が濃くなっているような気がして、私たちが歩みを進めると……見た事のない生き物が居た。
ライオンみたいな身体んだけど、その尻尾が大きなサソリの尻尾みたいになっている。
「ま、マンティコアっ!? どうして、そんなのがここにっ!?」
「エドワード。あれって、危険な魔物……よね?」
「人を喰らう魔物として有名で……ですが、この洞窟は王宮の敷地内ですので、魔物なんて居ないはずなのにっ!」
エドワードがマンティコアと呼んだ魔物が、ゆっくりと近付いて来た。
居ないはずの魔物だけど……そう言えば、近付いてきていたはずの背後の人物が居なくなっている。
まさか、その人物がこの魔物を呼び出した……?
普通はそんな事出来ないと思うけど、ここは魔法が存在する世界。
いわゆる召喚魔法みたいなのもあるかもしれない。
そんな事を考えていると、
「ソフィアさん! 下がってください!」
盾を構えたエドワードが、私を庇うようにしてマンティコアの前に躍り出た。