転生したらエルフの幼女でした。前世と同じように過ごしているだけなのに頑張り過ぎだと言われ、神童と呼ばれています。人間の国で王子の家庭教師をやらされる事になったけど、お菓子が美味しいので頑張ります。
第33話 エドワードの専属メイド、リディア
「ソフィアさん。彼女は僕が幼い頃から傍に居てくれているメイドさんなんです。助けてあげる事は出来ないでしょうか」
「待って……やってみる」
幸い、一度学園長で実践済みの為、どうすれば解凍出来るかはわかっている。
という訳で、早速光魔法を使用してみた。
『状態異常回復』
そう書いた紙を氷に貼り、魔力を注ぐと……綺麗に氷が消える。
学園長の時は試行錯誤して時間がかかって、解凍後に治癒魔法を使う事になったけど、今回はすぐに解凍出来たし、大丈夫みたいね。
「ぼ、坊ちゃま……」
「リディア。どうして君がここに?」
「す、すみません。坊ちゃまの事がどうしても気になってしまい、来てはいけないと言われていたにも関わらず、後をつけてしまいました」
そう言って、リディアと呼ばれたメイドさんが深々と頭を下げる。
「あなただったのね。時々、敵意のある視線を送っていたのは。いつも人が大勢居るから、誰か……までは特定出来なかったけど、視線には気付いていたんだから」
「お嬢様……も、申し訳ございません。ですが、私の方が幼い頃から坊ちゃまの事をお慕いしておりましたのに、来てすぐに坊ちゃまとご結婚の話をされるから、心の整理が出来なくて……」
「え? 結婚って、誰と誰が?」
「……坊ちゃまとお嬢様がご結婚なされるのですよね? エルフ族とのしがらみを解消する為に」
いやいや、何を言っているの?
このメイドさん、思い込みが激し過ぎない?
「あの、確かにエドワードから、王族へエルフと結婚するように進言するって話があったわ。だけど、エルフと結婚するのは王族の誰かで、エドワードが結婚する訳ではないでしょ?」
「ん? 僕はソフィアさんが嫌でなければ……というか、いずれにせよ僕はまだ十四歳だ。婚約はしたとしても、今すぐ結婚する訳ではないよ。……あと、リディアの気持ちは嬉しいよ。ありがとう」
エドワードがリディアさんを慰めるように話し掛けているけど、傍には行かず、私のすぐ傍に立っていてくれて良かった。
まだ重要な事が聞けていないからね。
「えっと、あなたがエドワードの事を好きなのはわかったけど、だからと言って魔物を召喚するなんて事は許されないわ。エドワードがケガでもしたら、どうするのよ」
「え? 魔物を召喚……って、何の話ですか?」
「とぼけないで。あなたが背後から近付いて来たところでマンティコアが現れ、氷漬けになった瞬間にマンティコアが消えたでしょ。あなたが召喚魔法とかで使役していたんでしょ」
「ち、違いますっ! 貴族でもない私に、魔法が使える訳ないじゃないですかっ!」
……ん? あれ? 貴族でもないのに……って、もしかして人間は貴族しか魔法が使えないのっ!?
エドワードにこっそり聞いてみると、
「貴族だけって事はありませんが、貴族の方が使える者が多いのは事実です。ただリディアの言う通りで、彼女は魔法を使う事が出来ません」
「え? じゃあ、さっきのマンティコアは何だったの!?」
改めて話を聞くと、リディアさんが私に行ったのは、エドワードとの魔法訓練の際に、微妙な訓練着を用意したとか、お菓子をいっぱい出して太らせようとしたとか……これはこれで地味に嫌だけど、その程度らしい。
マンティコアが自然にこの洞窟に棲みつくなんてはずはないし、勝手に消えるはずもない。
訳がわからないまま、リディアさんも連れて慎重に奥へ進む事に。
それから、先程マンティコアが現れた場所を少し過ぎて……私たちは、ここに居るはずのない、黒幕だと思われる人物を発見した。
「待って……やってみる」
幸い、一度学園長で実践済みの為、どうすれば解凍出来るかはわかっている。
という訳で、早速光魔法を使用してみた。
『状態異常回復』
そう書いた紙を氷に貼り、魔力を注ぐと……綺麗に氷が消える。
学園長の時は試行錯誤して時間がかかって、解凍後に治癒魔法を使う事になったけど、今回はすぐに解凍出来たし、大丈夫みたいね。
「ぼ、坊ちゃま……」
「リディア。どうして君がここに?」
「す、すみません。坊ちゃまの事がどうしても気になってしまい、来てはいけないと言われていたにも関わらず、後をつけてしまいました」
そう言って、リディアと呼ばれたメイドさんが深々と頭を下げる。
「あなただったのね。時々、敵意のある視線を送っていたのは。いつも人が大勢居るから、誰か……までは特定出来なかったけど、視線には気付いていたんだから」
「お嬢様……も、申し訳ございません。ですが、私の方が幼い頃から坊ちゃまの事をお慕いしておりましたのに、来てすぐに坊ちゃまとご結婚の話をされるから、心の整理が出来なくて……」
「え? 結婚って、誰と誰が?」
「……坊ちゃまとお嬢様がご結婚なされるのですよね? エルフ族とのしがらみを解消する為に」
いやいや、何を言っているの?
このメイドさん、思い込みが激し過ぎない?
「あの、確かにエドワードから、王族へエルフと結婚するように進言するって話があったわ。だけど、エルフと結婚するのは王族の誰かで、エドワードが結婚する訳ではないでしょ?」
「ん? 僕はソフィアさんが嫌でなければ……というか、いずれにせよ僕はまだ十四歳だ。婚約はしたとしても、今すぐ結婚する訳ではないよ。……あと、リディアの気持ちは嬉しいよ。ありがとう」
エドワードがリディアさんを慰めるように話し掛けているけど、傍には行かず、私のすぐ傍に立っていてくれて良かった。
まだ重要な事が聞けていないからね。
「えっと、あなたがエドワードの事を好きなのはわかったけど、だからと言って魔物を召喚するなんて事は許されないわ。エドワードがケガでもしたら、どうするのよ」
「え? 魔物を召喚……って、何の話ですか?」
「とぼけないで。あなたが背後から近付いて来たところでマンティコアが現れ、氷漬けになった瞬間にマンティコアが消えたでしょ。あなたが召喚魔法とかで使役していたんでしょ」
「ち、違いますっ! 貴族でもない私に、魔法が使える訳ないじゃないですかっ!」
……ん? あれ? 貴族でもないのに……って、もしかして人間は貴族しか魔法が使えないのっ!?
エドワードにこっそり聞いてみると、
「貴族だけって事はありませんが、貴族の方が使える者が多いのは事実です。ただリディアの言う通りで、彼女は魔法を使う事が出来ません」
「え? じゃあ、さっきのマンティコアは何だったの!?」
改めて話を聞くと、リディアさんが私に行ったのは、エドワードとの魔法訓練の際に、微妙な訓練着を用意したとか、お菓子をいっぱい出して太らせようとしたとか……これはこれで地味に嫌だけど、その程度らしい。
マンティコアが自然にこの洞窟に棲みつくなんてはずはないし、勝手に消えるはずもない。
訳がわからないまま、リディアさんも連れて慎重に奥へ進む事に。
それから、先程マンティコアが現れた場所を少し過ぎて……私たちは、ここに居るはずのない、黒幕だと思われる人物を発見した。