妹の身代わりで嫁いだ姫は、ヤンデレなはずの皇王にとろ甘に溺愛される(旧 ヤンデレ皇王のつがいはデレ改革をお望みです ~加虐系ヤンデレはデレデレにデレチェンジ~)
「いつ減っていると気が付いたの?」
「そうさね、減っていると気が付いたのは十八年前かね」
「……十八年前って」
「あぁ。シルディアが生まれた頃だな」
「今、わたしが神力を持っているってことはもしかして……。わたしに神力が移ったってこと?」
「僅かに残った力はお嬢さんの教育に使えって女神の思し召しなんだろうね」
シルディアに申し訳なさが募るが、アリスはからからと笑うだけだ。
「正直なところ、視察と称して毎月見に来られるのも面倒なのさ。だからさっさと無くしてちまいたいんだよ」
「でも……」
「シルディアが気に病むことはない。おばばは昔からこうだから。歴代聖女の中でも手が付けられない暴れ馬だった」
「暴れ馬? 面白い事を言うじゃないか。あたしはただ縛られるのが嫌だっただけだよ」
「それを世間では暴れ馬やじゃじゃ馬と言うのでは?」
「ははっ。まぁ昔話は置いておこうじゃないか。今日の目的はお嬢さんに力の使い方を教えることかい? 一応宝石も持って来ているが……」
アリスの言葉にシルディアはこの店に来た目的を思い出した。
ローテーブルに置かれたトレイに目を落とす。
色とりどりに輝く宝石はどれも大粒で、一目で一級品の物だと分かる。
思わずため息が零れそうな逸品の中に一際目を引く物があった。
シルディアはオデルの髪と同じ色をした漆黒の宝石に目を奪われてしまう。
黒曜石だろうか。
見る角度によって色の変わるそれに鷲掴まれたと顔に出ていたのか、オデルに気付かれてしまった。
「力の使い方を学ばせるつもりで……ん? なにか欲しい物あったか?」
「ううん! なんでもない」
「シルディアは嘘が下手だな。おばば」
「あぁ。オブシディアンだね。何に加工する? 指輪かい? それともネックレスやブレスレット、髪留めもいいね」
「え、ちょっと、オデル」
「髪留めにしてくれ。シルディアの白い髪に映えそうだ」
「そうだね。ちょっと待ってな」
「そうさね、減っていると気が付いたのは十八年前かね」
「……十八年前って」
「あぁ。シルディアが生まれた頃だな」
「今、わたしが神力を持っているってことはもしかして……。わたしに神力が移ったってこと?」
「僅かに残った力はお嬢さんの教育に使えって女神の思し召しなんだろうね」
シルディアに申し訳なさが募るが、アリスはからからと笑うだけだ。
「正直なところ、視察と称して毎月見に来られるのも面倒なのさ。だからさっさと無くしてちまいたいんだよ」
「でも……」
「シルディアが気に病むことはない。おばばは昔からこうだから。歴代聖女の中でも手が付けられない暴れ馬だった」
「暴れ馬? 面白い事を言うじゃないか。あたしはただ縛られるのが嫌だっただけだよ」
「それを世間では暴れ馬やじゃじゃ馬と言うのでは?」
「ははっ。まぁ昔話は置いておこうじゃないか。今日の目的はお嬢さんに力の使い方を教えることかい? 一応宝石も持って来ているが……」
アリスの言葉にシルディアはこの店に来た目的を思い出した。
ローテーブルに置かれたトレイに目を落とす。
色とりどりに輝く宝石はどれも大粒で、一目で一級品の物だと分かる。
思わずため息が零れそうな逸品の中に一際目を引く物があった。
シルディアはオデルの髪と同じ色をした漆黒の宝石に目を奪われてしまう。
黒曜石だろうか。
見る角度によって色の変わるそれに鷲掴まれたと顔に出ていたのか、オデルに気付かれてしまった。
「力の使い方を学ばせるつもりで……ん? なにか欲しい物あったか?」
「ううん! なんでもない」
「シルディアは嘘が下手だな。おばば」
「あぁ。オブシディアンだね。何に加工する? 指輪かい? それともネックレスやブレスレット、髪留めもいいね」
「え、ちょっと、オデル」
「髪留めにしてくれ。シルディアの白い髪に映えそうだ」
「そうだね。ちょっと待ってな」