妹の身代わりで嫁いだ姫は、ヤンデレなはずの皇王にとろ甘に溺愛される(旧 ヤンデレ皇王のつがいはデレ改革をお望みです ~加虐系ヤンデレはデレデレにデレチェンジ~)
ここは二人だけの自室ではなく、アリスが経営している店の中だと完全に失念していた。
ぱっと手を放し声にならない声を上げたシルディアとは対称に、オデルは軽く舌打ちをする。
「もう少し空気を読んだらどうだ?」
「ここあたしの店だよ。どうしようがあたしの勝手さ」
「ごめんなさい」
「お嬢さんが謝る必要はない。さて、嬉しい事にあたしの神力はもう尽きたんだ。二度と聖女様の様子を見になんて来るんじゃないと城の奴らに伝えとくれ」
「あぁ。シルディア、そろそろお暇しようか」
「え? オデルが言うなら……」
シルディアは、立ち上がったオデルから差し出された手を取った。
手を引かれたシルディアは彼の胸元へと勢いあまってぶつかってしまう。
「わっぷ。ごめん」
「大丈夫? 痛くなかったか?」
「それはわたしのセリフだと思うわ」
「はいはい。まだあたしの店だって忘れんじゃないよ」
アリスがげんなりしたように呟く。
彼女に開けられた扉をくぐり部屋を出れば、ショーウインドウから射す夕焼けで店内が染まっていた。
ぱっと手を放し声にならない声を上げたシルディアとは対称に、オデルは軽く舌打ちをする。
「もう少し空気を読んだらどうだ?」
「ここあたしの店だよ。どうしようがあたしの勝手さ」
「ごめんなさい」
「お嬢さんが謝る必要はない。さて、嬉しい事にあたしの神力はもう尽きたんだ。二度と聖女様の様子を見になんて来るんじゃないと城の奴らに伝えとくれ」
「あぁ。シルディア、そろそろお暇しようか」
「え? オデルが言うなら……」
シルディアは、立ち上がったオデルから差し出された手を取った。
手を引かれたシルディアは彼の胸元へと勢いあまってぶつかってしまう。
「わっぷ。ごめん」
「大丈夫? 痛くなかったか?」
「それはわたしのセリフだと思うわ」
「はいはい。まだあたしの店だって忘れんじゃないよ」
アリスがげんなりしたように呟く。
彼女に開けられた扉をくぐり部屋を出れば、ショーウインドウから射す夕焼けで店内が染まっていた。