妹の身代わりで嫁いだ姫は、ヤンデレなはずの皇王にとろ甘に溺愛される(旧 ヤンデレ皇王のつがいはデレ改革をお望みです ~加虐系ヤンデレはデレデレにデレチェンジ~)
08.料理の隠し味は少しの狂気
窓から差し込む陽光がシルディアの意識を浮上させる。
部屋の眩しさに目を細め、起き上がろうとして失敗した。
(そうだった。オデルと抱き合って寝たの忘れてた)
体に回された腕は重く、逃れることもままならない。
寝入っていても緩まない力に、シルディアは苦笑する。
(抱き合って寝るって言われた時は純潔の危機を感じたけれど、文字通りの意味で安心したわ)
シルディアの起床時には絶対に起きているオデルが、まだ寝ている。
その事実が少しだけシルディアの心を高揚させた。
(今まで熟睡した事がないんだもの。もう少し寝かせてあげましょう)
オデルはまばゆい光をものともせず寝息を立てている。
初めて見るオデルの寝顔は、いつもより幼く見えた。
目にかかりそうな前髪に触れれば、見た目以上に柔らかく黒絹のような触り心地だ。
(何をすればこんな肌触りになるのかしら? 寝不足のはずなのに肌も荒れていないなんて羨ましい)
頬を撫でれば、予想以上の滑らかさに驚いた。
柔らかなもち肌は赤子のようだ。
時間にして一分ほどだろうか。オデルの肌を堪能し、はたと我に返る。
(わたしったら、はしたないことを……。意識のない人をベタベタ触るのはマナー違反だわ)
手を離し、恥ずかしさからオデルに背中を向けようと身を捻る。
ぎゅうぎゅうと抱きしめられているため、背を向けるのは骨が折れたが、なんとか反対を向くことに成功した。
シルディアがほっと息を吐いた瞬間。
部屋の眩しさに目を細め、起き上がろうとして失敗した。
(そうだった。オデルと抱き合って寝たの忘れてた)
体に回された腕は重く、逃れることもままならない。
寝入っていても緩まない力に、シルディアは苦笑する。
(抱き合って寝るって言われた時は純潔の危機を感じたけれど、文字通りの意味で安心したわ)
シルディアの起床時には絶対に起きているオデルが、まだ寝ている。
その事実が少しだけシルディアの心を高揚させた。
(今まで熟睡した事がないんだもの。もう少し寝かせてあげましょう)
オデルはまばゆい光をものともせず寝息を立てている。
初めて見るオデルの寝顔は、いつもより幼く見えた。
目にかかりそうな前髪に触れれば、見た目以上に柔らかく黒絹のような触り心地だ。
(何をすればこんな肌触りになるのかしら? 寝不足のはずなのに肌も荒れていないなんて羨ましい)
頬を撫でれば、予想以上の滑らかさに驚いた。
柔らかなもち肌は赤子のようだ。
時間にして一分ほどだろうか。オデルの肌を堪能し、はたと我に返る。
(わたしったら、はしたないことを……。意識のない人をベタベタ触るのはマナー違反だわ)
手を離し、恥ずかしさからオデルに背中を向けようと身を捻る。
ぎゅうぎゅうと抱きしめられているため、背を向けるのは骨が折れたが、なんとか反対を向くことに成功した。
シルディアがほっと息を吐いた瞬間。