妹の身代わりで嫁いだ姫は、ヤンデレなはずの皇王にとろ甘に溺愛される(旧 ヤンデレ皇王のつがいはデレ改革をお望みです ~加虐系ヤンデレはデレデレにデレチェンジ~)
14.プレゼント
一週間寝込んでいた際、夢に出てきた皇太子はオデルに似ていたように思う。
彼は滞在中、何度もシルディアに会いに来てくれた。
毎回のようにイチゴのクッキーを携えて。
思えば、あれは初恋というものだったのではないだろうか。
皇太子とのやり取りを思い出すだけで、胸の奥がほんのりと温かくなる。
その気持ちは、よく令嬢達が噂する恋というものだろう。
懸想相手が皇太子だったため、記憶の奥底に蓋をしていた。
ところが何の因果か、シルディアは皇王へ嫁ぐことになった。
蓋をしていた記憶が姿を見せても不思議ではない。
問題は、あの皇太子はオデルだったのでは? と期待してしまうこと。
口調は違っていたし、鮮明に顔を覚えているわけでもない。
なにせ六歳の頃の記憶だ。十年前の記憶が当てになるはずがない。
たった一言、昔会ったことある? と問えばいいだけ。
しかしシルディアは、その一言を口に出すことが出来なかった。
そうして悶々とした気持ちを抱えたまま、時間だけが過ぎ去ってしまった。
彼は滞在中、何度もシルディアに会いに来てくれた。
毎回のようにイチゴのクッキーを携えて。
思えば、あれは初恋というものだったのではないだろうか。
皇太子とのやり取りを思い出すだけで、胸の奥がほんのりと温かくなる。
その気持ちは、よく令嬢達が噂する恋というものだろう。
懸想相手が皇太子だったため、記憶の奥底に蓋をしていた。
ところが何の因果か、シルディアは皇王へ嫁ぐことになった。
蓋をしていた記憶が姿を見せても不思議ではない。
問題は、あの皇太子はオデルだったのでは? と期待してしまうこと。
口調は違っていたし、鮮明に顔を覚えているわけでもない。
なにせ六歳の頃の記憶だ。十年前の記憶が当てになるはずがない。
たった一言、昔会ったことある? と問えばいいだけ。
しかしシルディアは、その一言を口に出すことが出来なかった。
そうして悶々とした気持ちを抱えたまま、時間だけが過ぎ去ってしまった。