ギャルは聖女で世界を救う! ―王子に婚約破棄されたけど、天才伯爵に溺愛されて幸せなのでおけまるです!―
「婚約破棄、おけまるで~す!」

 こうして、聖女エミはあっさりと一方的な婚約破棄を承諾した。あっさりと第一王子の婚約者の座をアレキセーヌ・フォン・ボリタリアに譲ったのだ。

 サクラとロイが「この婚約破棄は不当だ」と何度も説得したものの、エミは笑って取り合わなかった。

 かくして、救国の聖女エミは王宮を去った。

 事態を静観していた国王は、聖女エミが王宮を去ったと耳にして、宰相にこう漏らしたという。『寛容にして清廉、聖女はかくあるべし』、と。
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