ギャルは聖女で世界を救う! ―王子に婚約破棄されたけど、天才伯爵に溺愛されて幸せなのでおけまるです!―
伯爵、怒る!
「……って感じだったんだけどぉ、まー大変だったわけ。……あ、ヤバ、マニュキュア剥げてる」
あらかたの話を終えてしまったエミは、2秒後には小指の先のマニュキュアが取れかかっていることを気にし始めた。しかし、その切り替えの早さにディルはもちろんついていけるはずがない。
ディルは、握りしめた拳をわなわなと震わせた。
「……なにが、『寛容にして清廉、聖女はかくあるべし』だ! 事なかれ主義もここまでくると病気だな。良い話にして話を丸く収めようとしているが、要は権力者の命令には、大人しく従えと言いたいのだろう。そんな道理に合わないことをよくも口に出せたものだな! 王子も馬鹿だが、あの国王も大馬鹿だ! 今すぐ抗議する!」
「おっ、ハクシャクおこぷんだ」
「おこぷんにもなるわ! だいたい、当事者であるお前がなぜそんなにケロっとしているのだ! もっと怒っても良いんだぞ!」
「それサクぴとロイっぺにも言われたんだけど~~! マジでウケる~~」
あらかたの話を終えてしまったエミは、2秒後には小指の先のマニュキュアが取れかかっていることを気にし始めた。しかし、その切り替えの早さにディルはもちろんついていけるはずがない。
ディルは、握りしめた拳をわなわなと震わせた。
「……なにが、『寛容にして清廉、聖女はかくあるべし』だ! 事なかれ主義もここまでくると病気だな。良い話にして話を丸く収めようとしているが、要は権力者の命令には、大人しく従えと言いたいのだろう。そんな道理に合わないことをよくも口に出せたものだな! 王子も馬鹿だが、あの国王も大馬鹿だ! 今すぐ抗議する!」
「おっ、ハクシャクおこぷんだ」
「おこぷんにもなるわ! だいたい、当事者であるお前がなぜそんなにケロっとしているのだ! もっと怒っても良いんだぞ!」
「それサクぴとロイっぺにも言われたんだけど~~! マジでウケる~~」