ギャルは聖女で世界を救う! ―王子に婚約破棄されたけど、天才伯爵に溺愛されて幸せなのでおけまるです!―
「私は初めから聖女の召喚に反対だった。しかし、こういう事態になるのであればもっと強固に反対しておくべきだった」
「ハクシャクは、私たちがこっちの世界に来るのに反対してたんだ」
「当たり前だ。訳も分からずやってきた年若い異世界人に、聖女という役割を与え、国のために問答無用で戦わせる。このやり方は、明らかにおかしい。非人道的かつ非合理的だ。だからこそ、先の戦争に一切関知しないと身を退いた」
「……だから、ハクシャクってばあたしのこと何も知らなかったんだ」
エミはぽつりと呟く。ディルは軽く顎を撫でた。
「私が把握したのは、王子二人と聖女二人が戦争の最前線に行ったという情報だけだ。先の戦争の情報は全て無視していたからな」
「なるほどね~」
「それに、聖女召喚のタイミングもズレているのも気になった。調べてみれば、100年に一度の周期のはずなのに、前回聖女を召喚してから99年しか経っていない。明らかに、聖女の召喚は早すぎた。ハド共和国との戦争は、100年に一度の災いではない。本当の災禍は、おそらくこれからだ」
ディルは神経質そうにこめかみをトントンと叩いた。
「ハクシャクは、私たちがこっちの世界に来るのに反対してたんだ」
「当たり前だ。訳も分からずやってきた年若い異世界人に、聖女という役割を与え、国のために問答無用で戦わせる。このやり方は、明らかにおかしい。非人道的かつ非合理的だ。だからこそ、先の戦争に一切関知しないと身を退いた」
「……だから、ハクシャクってばあたしのこと何も知らなかったんだ」
エミはぽつりと呟く。ディルは軽く顎を撫でた。
「私が把握したのは、王子二人と聖女二人が戦争の最前線に行ったという情報だけだ。先の戦争の情報は全て無視していたからな」
「なるほどね~」
「それに、聖女召喚のタイミングもズレているのも気になった。調べてみれば、100年に一度の周期のはずなのに、前回聖女を召喚してから99年しか経っていない。明らかに、聖女の召喚は早すぎた。ハド共和国との戦争は、100年に一度の災いではない。本当の災禍は、おそらくこれからだ」
ディルは神経質そうにこめかみをトントンと叩いた。