ギャルは聖女で世界を救う! ―王子に婚約破棄されたけど、天才伯爵に溺愛されて幸せなのでおけまるです!―
旅商人、舞う!
「あれはタピオカでは、なかったか……」
ガシュバイフェンの石畳の道を歩きながら、ディルが分かりやすく肩を落とす。
二人は、「タピオカを見つけた」と言う商人とつい先ほどまで会っていた。ディルが落ち込んでいるのは、商人の紹介した「タピオカ」はまったく別の代物だったためだ。
「……すまない。リサーチ不足だった」
「ぜんぜん! タピオカじゃなかったけど、ジャケの卵もイクラっぽくて美味しかったよ♡ あれはあれでよき~。あたし、回転寿司にいったらイクラの皿真っ先に食べる程度に、イクラマジ好き~~♡」
エミは満足そうに微笑んだ。
商人が「タピオカ」として二人に出したのは、エミの知っているタピオカではなかった。
確かに、見た目はかなり似ていた。しかし、商人が持ってきたのは「ジャケ」という魚の卵を塩漬けにしたものだったのだ。もちろんミルクティーにいれて飲めるものではない。どちらかといえば、白米が欲しくなるおかず系の味である。
「まあ見た目は良いセン行ってたっしょ! アレはアレでほぼタピオカだって」
「……未だに分からんのだが、なんで魚の卵が甘いのだ? 甘く煮てあるのか?」
「うーん、そもそもタピオカは魚の卵じゃなかったとか?」
「待て、大前提から違ったということか? お前、タピオカは魚の卵だと言っていただろう」
ガシュバイフェンの石畳の道を歩きながら、ディルが分かりやすく肩を落とす。
二人は、「タピオカを見つけた」と言う商人とつい先ほどまで会っていた。ディルが落ち込んでいるのは、商人の紹介した「タピオカ」はまったく別の代物だったためだ。
「……すまない。リサーチ不足だった」
「ぜんぜん! タピオカじゃなかったけど、ジャケの卵もイクラっぽくて美味しかったよ♡ あれはあれでよき~。あたし、回転寿司にいったらイクラの皿真っ先に食べる程度に、イクラマジ好き~~♡」
エミは満足そうに微笑んだ。
商人が「タピオカ」として二人に出したのは、エミの知っているタピオカではなかった。
確かに、見た目はかなり似ていた。しかし、商人が持ってきたのは「ジャケ」という魚の卵を塩漬けにしたものだったのだ。もちろんミルクティーにいれて飲めるものではない。どちらかといえば、白米が欲しくなるおかず系の味である。
「まあ見た目は良いセン行ってたっしょ! アレはアレでほぼタピオカだって」
「……未だに分からんのだが、なんで魚の卵が甘いのだ? 甘く煮てあるのか?」
「うーん、そもそもタピオカは魚の卵じゃなかったとか?」
「待て、大前提から違ったということか? お前、タピオカは魚の卵だと言っていただろう」