ギャルは聖女で世界を救う! ―王子に婚約破棄されたけど、天才伯爵に溺愛されて幸せなのでおけまるです!―
別に、ディル自身に結婚願望がないわけではない。先も述べたとおり、顔も整っている方で、宮廷にいる際は遠巻きに貴族令嬢からきゃあきゃあ言われていた。
いわゆる名家と呼ばれるような家柄の貴族令嬢の婚約話を受けたこともあるにはある。この屋敷に婚約者としてレディを招いたこともないわけではない。
しかし、結局ディルは結婚までにたどり着かなかった。
「こんな冷血男と生涯添い遂げるなんてイヤ!」
と、一方的に婚約破棄されてきたのである。しかも、立て続けに三人ほど。
(お顔立ちは整っていらっしゃるのに、喋るとすこぶる残念な感じになってしまうのは、どうにかならないものか……)
セバスチャンはディルに仕えて長らくこの問題に頭を悩ませていた。解決の糸口はつかめていない。
とにかく、そんな彼にも4度目の春(チャンス)が来ようとしていた。そして、恐らくこれがディルにとっては最後のチャンスとなるだろう。悲しいことだが、何度も婚約破棄された男に嫁いでこようなんて思う物好きな貴族令嬢は、王国中探してもそうそういないのである。
いわゆる名家と呼ばれるような家柄の貴族令嬢の婚約話を受けたこともあるにはある。この屋敷に婚約者としてレディを招いたこともないわけではない。
しかし、結局ディルは結婚までにたどり着かなかった。
「こんな冷血男と生涯添い遂げるなんてイヤ!」
と、一方的に婚約破棄されてきたのである。しかも、立て続けに三人ほど。
(お顔立ちは整っていらっしゃるのに、喋るとすこぶる残念な感じになってしまうのは、どうにかならないものか……)
セバスチャンはディルに仕えて長らくこの問題に頭を悩ませていた。解決の糸口はつかめていない。
とにかく、そんな彼にも4度目の春(チャンス)が来ようとしていた。そして、恐らくこれがディルにとっては最後のチャンスとなるだろう。悲しいことだが、何度も婚約破棄された男に嫁いでこようなんて思う物好きな貴族令嬢は、王国中探してもそうそういないのである。