ギャルは聖女で世界を救う! ―王子に婚約破棄されたけど、天才伯爵に溺愛されて幸せなのでおけまるです!―
「そういうものなのですよ。……でもね、取り繕っても、秘密なんて遅かれ早かれ隠し通せなくなります。夫婦になるなら、なおさら」
「確かに、隠し通す自信がまったくないかも……」

 根が正直者のエミは、考えていることがすぐに顔にでてしまうため、嘘をついたり人を欺いたりすることが苦手だった。エミ自身、それをよく心得ているらしい。

 メアリーはここぞとばかりにビシっと人差し指を立てる。

「人生の大先輩として僭越ながらアドバイスさせていただきますが、良い夫婦は隠し事はしないものなのですよ。エミ様も伯爵様に隠し事をされたらおいやでしょう?」
「イヤ、かも……」
「それと同じで、エミ様がなにか重大な隠し事をされていると知ったら、伯爵様はきっと傷つくと思いますよ」
「それはヤダ!」

 エミは慌ててぶんぶんと首をふる。その素直な反応に、メアリーは目を細めた。

「それならば、秘密を打ち明けてしまってもよろしいのではないでしょうか。断言しますが、どんな秘密を打ち明けても伯爵様は絶対に受け入れてくださいますよ。こんなに素直で愛らしいエミ様を嫌いになるはずがありません!」
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