ギャルは聖女で世界を救う! ―王子に婚約破棄されたけど、天才伯爵に溺愛されて幸せなのでおけまるです!―
(全く、最初にやることは、あの平和ボケした国王を説得してどうにかしてやる気を出させるところから始まるのか。全くめんどくさ――……)
そこまで考えた時に、ふと誰かの軽やかな足音がこちらに近づいていることに気が付いた。
「ちょ、待って待って待ってー! あたしも駆け込み乗車しま―――っす!!」
「……ッ!!??」
弾丸のような速さでディルの胸に小柄な女の影が飛んでくる。ディルは反射的に抱き留めた。ほっそりとした身体が、ディルの腕の中にすっぽりと納まる。ふわりと甘やかな匂いがディルの鼻腔をくすぐり、彼の反応がワンテンポ遅れてしまう。
そこに現れたのは、間違いなく聖女エミだった。
「聖女、お前ッ! 寝てるはずじゃ……ッ」
「エヘ、来ちゃった♡」
ようやく状況を理解したセバスチャンが悲鳴をあげたものの、魔導士たちの詠唱は終盤に差し掛かっていた。魔法陣がひときわ明るく輝く。
「なにをやってるのだ、このあんぽんたん―――ッ!!!!」
ディルの怒鳴り声とともに、ふたりはそのままサンクトハノーシュ王国の首都に飛んでいった。
そこまで考えた時に、ふと誰かの軽やかな足音がこちらに近づいていることに気が付いた。
「ちょ、待って待って待ってー! あたしも駆け込み乗車しま―――っす!!」
「……ッ!!??」
弾丸のような速さでディルの胸に小柄な女の影が飛んでくる。ディルは反射的に抱き留めた。ほっそりとした身体が、ディルの腕の中にすっぽりと納まる。ふわりと甘やかな匂いがディルの鼻腔をくすぐり、彼の反応がワンテンポ遅れてしまう。
そこに現れたのは、間違いなく聖女エミだった。
「聖女、お前ッ! 寝てるはずじゃ……ッ」
「エヘ、来ちゃった♡」
ようやく状況を理解したセバスチャンが悲鳴をあげたものの、魔導士たちの詠唱は終盤に差し掛かっていた。魔法陣がひときわ明るく輝く。
「なにをやってるのだ、このあんぽんたん―――ッ!!!!」
ディルの怒鳴り声とともに、ふたりはそのままサンクトハノーシュ王国の首都に飛んでいった。