ギャルは聖女で世界を救う! ―王子に婚約破棄されたけど、天才伯爵に溺愛されて幸せなのでおけまるです!―
「なによ、私に知られちゃ悪いことでもあるのかしら? ちょっと言ってみなさいよ」
女はエミの首に手を回したまま、エリックを睨みつける。可憐な見た目とは裏腹に、そこそこ迫力がある。睨まれたエリックはしどろもどろになって俯いた。
あっという間にエリックを言い負かしてしまった女は、「そんなことより」とすぐに話題を変え、うっとりとした目でエミを見つめる。
「エミたそがガシュバイフェンに行って、私すっごく寂しかったんだよぉ? ねえ、風邪ひいたりとかしてない? 手紙送ったけど読んでくれた? そんな薄着で寒くない? ちゃんとご飯食べてる? それから、あの冷血ソーオン伯にイヤなことされてない?」
「サクぴいきなり質問多すぎ~~!」
嬉しそうなエミの一言で、すっかり蚊帳の外に置かれていたディルはハッとした。
(エミがサクぴと呼んだということは、この女が聖女サクラ……! 会ったこともない俺に『エミたそを不幸にしたらぶっ殺すから』とかなんとかいう、あの物騒な手紙を送った女か! 外見からは、とてもあのような非常識なことをする人物には見えないが……)
女はエミの首に手を回したまま、エリックを睨みつける。可憐な見た目とは裏腹に、そこそこ迫力がある。睨まれたエリックはしどろもどろになって俯いた。
あっという間にエリックを言い負かしてしまった女は、「そんなことより」とすぐに話題を変え、うっとりとした目でエミを見つめる。
「エミたそがガシュバイフェンに行って、私すっごく寂しかったんだよぉ? ねえ、風邪ひいたりとかしてない? 手紙送ったけど読んでくれた? そんな薄着で寒くない? ちゃんとご飯食べてる? それから、あの冷血ソーオン伯にイヤなことされてない?」
「サクぴいきなり質問多すぎ~~!」
嬉しそうなエミの一言で、すっかり蚊帳の外に置かれていたディルはハッとした。
(エミがサクぴと呼んだということは、この女が聖女サクラ……! 会ったこともない俺に『エミたそを不幸にしたらぶっ殺すから』とかなんとかいう、あの物騒な手紙を送った女か! 外見からは、とてもあのような非常識なことをする人物には見えないが……)