ギャルは聖女で世界を救う! ―王子に婚約破棄されたけど、天才伯爵に溺愛されて幸せなのでおけまるです!―
騎士たちは初め、ドラゴンに立ち向かわんと緊張した面持ちで北の空を見ていた。しかし、ふいにエミをはじめとした一団に気づいたのか、一様に驚きの声をあげる。
「……これは、聖女様! 聖女様がいらっしゃったぞ!」
「聖女様……。お前たち、さっさと聖女様へ道を開けろ!」
急に現れたエミへの騎士たちの向ける眼差しには、どこか畏怖の念がふくまれていた。
当のエミは「みんなおひさ~!」といつも通り緊張感のない口ぶりで騎士たちに声をかけつつ、軽い足取りで城壁の頂上に向かう。城壁からは城下町を一望できるものの、眺めの良い景色をのんびりと見ている暇はない。
北の空から猛スピードでドラゴンがこちらに向かっている。大きな翼が羽ばたくたびに、猛烈な風切り音が聞こえてきた。
ドラゴンの登場に驚いたエリックが真っ先に腰を抜かして悲鳴をあげる。
「ひぃ、ひいい、本当にこっちに来てるぞ!」
さすがのサクラも真っ青になって後退りし、ロイはサクラをかばうように立ち、ごくりと生唾を飲む。歴戦の騎士たちもどよめいた。
「な、なんてデカさなんだ……」
「……これは、聖女様! 聖女様がいらっしゃったぞ!」
「聖女様……。お前たち、さっさと聖女様へ道を開けろ!」
急に現れたエミへの騎士たちの向ける眼差しには、どこか畏怖の念がふくまれていた。
当のエミは「みんなおひさ~!」といつも通り緊張感のない口ぶりで騎士たちに声をかけつつ、軽い足取りで城壁の頂上に向かう。城壁からは城下町を一望できるものの、眺めの良い景色をのんびりと見ている暇はない。
北の空から猛スピードでドラゴンがこちらに向かっている。大きな翼が羽ばたくたびに、猛烈な風切り音が聞こえてきた。
ドラゴンの登場に驚いたエリックが真っ先に腰を抜かして悲鳴をあげる。
「ひぃ、ひいい、本当にこっちに来てるぞ!」
さすがのサクラも真っ青になって後退りし、ロイはサクラをかばうように立ち、ごくりと生唾を飲む。歴戦の騎士たちもどよめいた。
「な、なんてデカさなんだ……」