ギャルは聖女で世界を救う! ―王子に婚約破棄されたけど、天才伯爵に溺愛されて幸せなのでおけまるです!―
セバスチャンはうっすら胃が痛くなってきたのを無視して、チラリと懐中時計を見た。タイミングよく、時計の針はそろそろ約束の時間に近づいていることを告げている。
「主様、聖女エミ様が転移魔法でこちらに来られるお時間の30分前となります。裏の森の広場に到着する予定ですから、お出迎えに行きませんと。もしかしたら、早めにお着きになるかもしれませんし……」
「……そうだな」
硬い顔をしたディルが立ち上がった、その時――……
「チチチーッス!」
ノックもなく、バーンと勢いよく重厚なドアが開いた。
「だ、誰だ! ノックもなく私の部屋に入ってきたのは!」
ディルの整った眉毛が神経質に跳ね上がり、セバスチャンの顔が一瞬で凍りつく。
しかし、二人の反応にまったく臆することなくディルの静かな書斎にズカズカと入ってきたのは、健康的と評するには若干こんがりとやきすぎた肌の、やたらと派手な女だった。
「主様、聖女エミ様が転移魔法でこちらに来られるお時間の30分前となります。裏の森の広場に到着する予定ですから、お出迎えに行きませんと。もしかしたら、早めにお着きになるかもしれませんし……」
「……そうだな」
硬い顔をしたディルが立ち上がった、その時――……
「チチチーッス!」
ノックもなく、バーンと勢いよく重厚なドアが開いた。
「だ、誰だ! ノックもなく私の部屋に入ってきたのは!」
ディルの整った眉毛が神経質に跳ね上がり、セバスチャンの顔が一瞬で凍りつく。
しかし、二人の反応にまったく臆することなくディルの静かな書斎にズカズカと入ってきたのは、健康的と評するには若干こんがりとやきすぎた肌の、やたらと派手な女だった。