ギャルは聖女で世界を救う! ―王子に婚約破棄されたけど、天才伯爵に溺愛されて幸せなのでおけまるです!―
◆◇

 それと時を同じくして、城壁の上で、同じように強い決意をした人物がいた。聖女サクラである。
 彼女はしばらく黒い髪をなびかせて、サンクトハノーシュ王国を見下ろしていた。彼女の胸の中には、親友をまたも守り切れなかった後悔と自責の念が胸の中に渦巻いていた。 
 サクラは静かに何かを考えたあと、おもむろに朝日に向かって宣言した。

「……あの馬鹿王子、なにがなんでもぶっ潰す」

 サクラを見守っていたロイが、肩をすくめてふっと微笑んだ。
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