ギャルは聖女で世界を救う! ―王子に婚約破棄されたけど、天才伯爵に溺愛されて幸せなのでおけまるです!―
セバスチャンは聞きたいことが山ほどあったものの、屋敷の廊下を歩いているあいだ、ディルとエミは口を閉ざした。
結局、セバスチャンは寝室に入っていく二人をオロオロと見守ることしかできなかった。
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ディルの寝室の重厚な扉がバタン、と閉まると、ディルは重いため息をついた。一緒に寝室にはいったエミの肩がびくりと揺れる。
ディルは無言でエミを広いベッドに座らせ、自らもどかっとベッドに座った。
「それで、聖女エミよ……」
「ごめんなさーいッ!」
ディルがエミに話しかけたのと、エミがディルに向かって土下座せんばかりに頭を下げたのは同時だった。
ディルはギョッとした顔をする。エミは頭を下げたまま、まくしたてた。
「ずっと、魔力のコトの黙っててごめんなさいッ! あたしにエグめの魔力があるって知られたら、きっとハクシャクはあたしを嫌いになるって思って言えなくて!」
「お、おい、顔を上げろ! 簡単に頭を下げるんじゃない!」
結局、セバスチャンは寝室に入っていく二人をオロオロと見守ることしかできなかった。
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ディルの寝室の重厚な扉がバタン、と閉まると、ディルは重いため息をついた。一緒に寝室にはいったエミの肩がびくりと揺れる。
ディルは無言でエミを広いベッドに座らせ、自らもどかっとベッドに座った。
「それで、聖女エミよ……」
「ごめんなさーいッ!」
ディルがエミに話しかけたのと、エミがディルに向かって土下座せんばかりに頭を下げたのは同時だった。
ディルはギョッとした顔をする。エミは頭を下げたまま、まくしたてた。
「ずっと、魔力のコトの黙っててごめんなさいッ! あたしにエグめの魔力があるって知られたら、きっとハクシャクはあたしを嫌いになるって思って言えなくて!」
「お、おい、顔を上げろ! 簡単に頭を下げるんじゃない!」