ギャルは聖女で世界を救う! ―王子に婚約破棄されたけど、天才伯爵に溺愛されて幸せなのでおけまるです!―
 散々じらされて濡れそぼった場所に、ディルの長い指が差し入れられた。まだ経験の少ないそこは、抵抗しながらも受け入れる。時間をかけてようやく隘路の最果てにディルの指の先が達した時、エミは快感のあまり声にならない悲鳴をあげた。

「はぁ、……ああっ、ああ……。うう……」

 物欲しそうにひくついていた場所をゆっくりと刺激され、エミ身体に淫らな快楽が押し寄せる。静かな部屋の中に淫らな水音がぴちゃぴちゃと響いた。指の動きは次第に早くなり、すぐにエミの感じやすい場所を的確にとらえた。

「そ、そこ……。いや……」
「ああ、ここか……。ふん、まったくわかりやすいものだ……」
「ひゃっ……! まって、まって……」

 嬌声が一段と高くなった時、彼女の脳天の中で何かがはじけた。

「あっ……!」

 一瞬頭のなかが真っ白になったあと、身体中に流れ込むように抗いがたい強い刺激が身体を駆け抜ける。エミの細い腰が跳ねる。

「……達したか?」
「た、たぶん……?」
「それは僥倖」

 ディルは満足そうに頷くと、ぼんやりと脱力するエミを横たえ、優しく彼女に口づける。
 

「ああ、私も我慢の限界だ……。そろそろ、いいだろうか?」

 ディルは真正面からエミを見つめた。夕陽に照らされて、ディルの髪はキラキラ輝いている。エミは遅れて、自分のとろんとした顔も、明るい夕陽に照らされていると気づいて顔を真っ赤にした。

「変な顔してるから、あんまり顔、見ないで……!」
「そんなことない。お前は美しい。可愛くて、綺麗で……」
「ハクシャク……きゃっ……」
「全て、ほしくなる」

 ずず、と隘路をこじ開けながら、ディルの強ばりがエミの中に入っていく。エミが大きく目を見開いた。まなじりから涙が流れる。

「……相変わらず、なんてキツさだ。こら、……く、唇を噛むな。……声を出していい、から……」
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