ギャルは聖女で世界を救う! ―王子に婚約破棄されたけど、天才伯爵に溺愛されて幸せなのでおけまるです!―
涙目で訴えるエミに、ディルは目を細め、唇に触るか触らないかのキスをした。エミは驚いて「ぴゃ」とも「ぼぁ」ともつかない奇声を上げ、指の先まで真っ赤になる。先ほどまで数えられないほど唇を重ねたのにもかかわらず、エミの反応は初々しい。
ディルの頭の中に(もう一度抱きつぶしてやろうか……)と、一瞬不埒な考えが浮かんだものの、すぐにその考えを打ち消した。さすがに昨日はやりすぎた感は否めない。
頭の隅に煩悩を追い払うべく、ディルはかねてより疑問だったことを口にした。
「それより、お前は何ゆえにあれほどまでの魔力を持っているのだ」
急な質問に、エミは困った顔をしてうーん、と唸った。
「あたしもよく分かってないんだけど、こっちの世界に来るときに、聖女たちは神様から願い事を一つ叶えてもらえるのは知ってるよね? あたし、神様にコスメが無限に出てくるコスメボックスをお願いしたわけなんだけど、あんまりにもしょーもない願いすぎて、代わりに魔力がカンスト起こしたらしいっぽい?」
「ど、どういうことだ。最初から説明してくれ」
「えーっとね……」
エミの説明を要約するとこうだ。
ディルの頭の中に(もう一度抱きつぶしてやろうか……)と、一瞬不埒な考えが浮かんだものの、すぐにその考えを打ち消した。さすがに昨日はやりすぎた感は否めない。
頭の隅に煩悩を追い払うべく、ディルはかねてより疑問だったことを口にした。
「それより、お前は何ゆえにあれほどまでの魔力を持っているのだ」
急な質問に、エミは困った顔をしてうーん、と唸った。
「あたしもよく分かってないんだけど、こっちの世界に来るときに、聖女たちは神様から願い事を一つ叶えてもらえるのは知ってるよね? あたし、神様にコスメが無限に出てくるコスメボックスをお願いしたわけなんだけど、あんまりにもしょーもない願いすぎて、代わりに魔力がカンスト起こしたらしいっぽい?」
「ど、どういうことだ。最初から説明してくれ」
「えーっとね……」
エミの説明を要約するとこうだ。