ギャルは聖女で世界を救う! ―王子に婚約破棄されたけど、天才伯爵に溺愛されて幸せなのでおけまるです!―
二人の前途は多難です!
メイド、叫ぶ!
ガシュバイフェンの大きなお屋敷の炊事場に、赤髪のメイドが駆け込んできた。
「ちょっと聞いてよ! わたしさ、今日はディル様の部屋の掃除担当だったんだけど、さっきディル様に呼び止められちゃって!!」
カトラリーを拭いていたメイドたちが、一斉に驚いた顔をする。
「えっ、なになに? 何をしでかしたのよ」
「わたしってば、ディル様の寝室に落ちてた長い髪の毛を、うっかり見落としてたみたいで……」
話を聞いたメイドたちはサーッと青ざめた。
この屋敷の主人、ディル・K・ソーオンはとてつもなく潔癖症である。髪の毛一本でも部屋に落ちていることを絶対に許さない人物だ。
「や、やだぁ! まさかアンタ、クビって言われたんじゃないでしょうね!?」
「困るよぉ! この屋敷は万年人手不足なのに!」
メイドたちは思い思いに悲鳴をあげた。しかし、赤髪のメイドはゆっくりと首を振る。
「違うわ。ご主人様はね、こういったのよ。――『これは聖女の髪の毛か……。髪の毛一本だけでも可愛いものなのだな』って……」
一瞬の静寂がメイドたちの間に流れる。
「「気持ち悪――――ッッッッ!!」」
メイドたちの反応は、満場一致だった。
「ちょっと聞いてよ! わたしさ、今日はディル様の部屋の掃除担当だったんだけど、さっきディル様に呼び止められちゃって!!」
カトラリーを拭いていたメイドたちが、一斉に驚いた顔をする。
「えっ、なになに? 何をしでかしたのよ」
「わたしってば、ディル様の寝室に落ちてた長い髪の毛を、うっかり見落としてたみたいで……」
話を聞いたメイドたちはサーッと青ざめた。
この屋敷の主人、ディル・K・ソーオンはとてつもなく潔癖症である。髪の毛一本でも部屋に落ちていることを絶対に許さない人物だ。
「や、やだぁ! まさかアンタ、クビって言われたんじゃないでしょうね!?」
「困るよぉ! この屋敷は万年人手不足なのに!」
メイドたちは思い思いに悲鳴をあげた。しかし、赤髪のメイドはゆっくりと首を振る。
「違うわ。ご主人様はね、こういったのよ。――『これは聖女の髪の毛か……。髪の毛一本だけでも可愛いものなのだな』って……」
一瞬の静寂がメイドたちの間に流れる。
「「気持ち悪――――ッッッッ!!」」
メイドたちの反応は、満場一致だった。