ギャルは聖女で世界を救う! ―王子に婚約破棄されたけど、天才伯爵に溺愛されて幸せなのでおけまるです!―
◇◆
ソファにふんぞり返って腕を組んでいたディルが突然特大のくしゃみをしたため、目の前の不思議な形の壺をしげしげと眺めていたエミは勢いよく振り返った。
「えっ、ハクシャクもしかして風邪ひいた感じ!?」
心配するエミに、ディルは安心させるように軽く首を振ってみせる。
「心配するな。おおかた誰かがつまらない噂をしていただけだろう。しかし、エミよ、お前はそれだけで良いのか?」
ソーオン伯の屋敷に外商に来ている旅商人が、少し困ったような笑みを浮かべて揉み手をした。
部屋いっぱいに、ドレスや宝石、装飾品の類が広げられている。目が痛くなるほど鮮やかだ。これらはすべて、ディルに先日頼まれた旅商人がエミのために持ってきたものである。
「偉大なる聖女様、これらは全て高級品です。伯爵家の奥方様がお持ちになるには、適切なお品かと……」
「キャーッ、まだ奥方様じゃないってぇー♡ プロポーズもまだなのに~~~!」
ソファにふんぞり返って腕を組んでいたディルが突然特大のくしゃみをしたため、目の前の不思議な形の壺をしげしげと眺めていたエミは勢いよく振り返った。
「えっ、ハクシャクもしかして風邪ひいた感じ!?」
心配するエミに、ディルは安心させるように軽く首を振ってみせる。
「心配するな。おおかた誰かがつまらない噂をしていただけだろう。しかし、エミよ、お前はそれだけで良いのか?」
ソーオン伯の屋敷に外商に来ている旅商人が、少し困ったような笑みを浮かべて揉み手をした。
部屋いっぱいに、ドレスや宝石、装飾品の類が広げられている。目が痛くなるほど鮮やかだ。これらはすべて、ディルに先日頼まれた旅商人がエミのために持ってきたものである。
「偉大なる聖女様、これらは全て高級品です。伯爵家の奥方様がお持ちになるには、適切なお品かと……」
「キャーッ、まだ奥方様じゃないってぇー♡ プロポーズもまだなのに~~~!」