ギャルは聖女で世界を救う! ―王子に婚約破棄されたけど、天才伯爵に溺愛されて幸せなのでおけまるです!―
「持っていて損はない。どうせいつか必要になる。私からの贈り物だと思って、受け取ってほしい」
ディルはふっと目元を緩め、エミの金髪をくしゃりと撫でた。エミの顔がボン、と赤くなる。
「ふぁあああ、デレ期ぱない……! サイコー……!」
「なんだ、私のでれ期とやらはまだ終わらないのか」
「終わってないよぉお! ドラゴンの一件からずっとデレ期だもん♡」
「よくわからんが、お前が幸せならいい。……ああ、そうだ。ところでエミ、この際だから婚約指輪も――、むごっ」
婚約指輪という単語を聞いた瞬間、音速でディルとエミの間にセバスチャンが割って入ってきた。
「は、伯爵様―――ッ! ちょっと、ちょっとこちらへ!!」
きょとんとするエミを部屋に残し、セバスチャンとディルは廊下に出る。急に外に引っ張り出されたディルは怒った顔をした。
「セバスチャン、お前――」
「無礼を承知で申し上げます! プロポーズもまだのお方が婚約指輪を未来の奥方の前で買い求められるのは、なりません……ッ! せっかくのプロポーズが、失敗に終わってしまいます!」
プロポーズ失敗、と聞いたディルの顔が明らかに引きつった。
ディルはふっと目元を緩め、エミの金髪をくしゃりと撫でた。エミの顔がボン、と赤くなる。
「ふぁあああ、デレ期ぱない……! サイコー……!」
「なんだ、私のでれ期とやらはまだ終わらないのか」
「終わってないよぉお! ドラゴンの一件からずっとデレ期だもん♡」
「よくわからんが、お前が幸せならいい。……ああ、そうだ。ところでエミ、この際だから婚約指輪も――、むごっ」
婚約指輪という単語を聞いた瞬間、音速でディルとエミの間にセバスチャンが割って入ってきた。
「は、伯爵様―――ッ! ちょっと、ちょっとこちらへ!!」
きょとんとするエミを部屋に残し、セバスチャンとディルは廊下に出る。急に外に引っ張り出されたディルは怒った顔をした。
「セバスチャン、お前――」
「無礼を承知で申し上げます! プロポーズもまだのお方が婚約指輪を未来の奥方の前で買い求められるのは、なりません……ッ! せっかくのプロポーズが、失敗に終わってしまいます!」
プロポーズ失敗、と聞いたディルの顔が明らかに引きつった。