ギャルは聖女で世界を救う! ―王子に婚約破棄されたけど、天才伯爵に溺愛されて幸せなのでおけまるです!―
 身体を震わせながら、ふたりは一緒に達した。しばらく抱きしめ合って余韻を楽しんだあと、ディルはぐったりと横たわるエミの顔を覗き込み、額にキスを落とす。

「……それで、媚薬は抜けたか?」

 ディルに見つめられたエミは、ぎこちなく目線を逸らす。耳まで真っ赤だ。どうやら媚薬の効果はいつのまにか切れたらしい。羞恥のあまり、ディルの顔すら直視できない様子だ。

「ヤバかった……。もうゼッタイ媚薬とか飲まないって誓う……っ!」

 ディルは胸中では残念に思いながら、「そうか」と神妙な顔で頷いた。
< 208 / 392 >

この作品をシェア

pagetop