ギャルは聖女で世界を救う! ―王子に婚約破棄されたけど、天才伯爵に溺愛されて幸せなのでおけまるです!―
ぶつくさ小言を言いながらも、ディルは自分の着ていたコートをエミの肩にかけた。不器用な気遣いに、エミは嬉しそうにはにかむ。
「えへ♡ ハクシャクはこーゆーとこ、なんだかんだで優しいから激ラブ~♡」
「馬鹿なことを言ってないで、素直に暖かい恰好をしろ。コートやマフラーの類は、この前一式揃えたはずだ。気に入らなければまた新しいものを買ってもいい」
「この前いっぱい買ってもらったからもういいよぉ! ところで、今日は何するの?」
「ああ、今日の実験なのだが、ここに魔力を注ぎ込んでほしい。そうすると、この魔法軸を基にしてこちらのトルマデカが発動し、それと近似的相互作用により反照原理で……」
「よくわかんないけど、おけまるでーす!」
エミは笑いながらディルの魔法陣の一端にしゃがむと、指定された場所に手のひらを押し当てる。
「えーっと、ハクシャクに教えてもらった感じで、ゆっくり……」
一瞬にして魔法陣が光り輝き、魔法が発動した。古の魔法だ。
あたりに霧のようなものが立ち込め、ややあって魔法陣の真ん中に、灰色がかった透き通った結晶がメリメリと音を立てながら形成されていく。
「えへ♡ ハクシャクはこーゆーとこ、なんだかんだで優しいから激ラブ~♡」
「馬鹿なことを言ってないで、素直に暖かい恰好をしろ。コートやマフラーの類は、この前一式揃えたはずだ。気に入らなければまた新しいものを買ってもいい」
「この前いっぱい買ってもらったからもういいよぉ! ところで、今日は何するの?」
「ああ、今日の実験なのだが、ここに魔力を注ぎ込んでほしい。そうすると、この魔法軸を基にしてこちらのトルマデカが発動し、それと近似的相互作用により反照原理で……」
「よくわかんないけど、おけまるでーす!」
エミは笑いながらディルの魔法陣の一端にしゃがむと、指定された場所に手のひらを押し当てる。
「えーっと、ハクシャクに教えてもらった感じで、ゆっくり……」
一瞬にして魔法陣が光り輝き、魔法が発動した。古の魔法だ。
あたりに霧のようなものが立ち込め、ややあって魔法陣の真ん中に、灰色がかった透き通った結晶がメリメリと音を立てながら形成されていく。