ギャルは聖女で世界を救う! ―王子に婚約破棄されたけど、天才伯爵に溺愛されて幸せなのでおけまるです!―
「はっきりさせておくべき事項だと判断した。第一王子は、遠く見知らぬ土地に聖女を放り出して、困らせてやる気だった。王室からの正式な書面で、時間を間違えるようなミスをするなんて、まずありえないからな」
「第一王子は、なんのために嫌がらせのようなことをなさったのです……?」
「嫌がらせのような、ではなく、純然たる嫌がらせだよ。そこの聖女は第一王子によっぽど嫌われたとみえる。……いったい、なにをしでかしたんだ?」
ディルは冷ややかな視線をエミに向ける。エミの目が落ち着きなく泳いだ。
「あー、えーっと……」
先ほどの溌剌とした明るい喋り方からは打って変わって、エミはなにやら言いにくそうにもごもごと言葉を濁し始める。よほど言いにくい事情があるのだろう。
ディルは特にそれ以上は言及せず、ただひらひらと手を振った。
「言いたくないなら、言わなくていい。私にとっては、お前の過去などつゆほども興味がないからな。いちおう確認しておくが、聖女は私の婚約者としてここに来たんだな? それならば近々結婚式をあげるとしよう」
「……へっ、あたしとハクシャクの結婚は決定ってコト!?」
「第一王子は、なんのために嫌がらせのようなことをなさったのです……?」
「嫌がらせのような、ではなく、純然たる嫌がらせだよ。そこの聖女は第一王子によっぽど嫌われたとみえる。……いったい、なにをしでかしたんだ?」
ディルは冷ややかな視線をエミに向ける。エミの目が落ち着きなく泳いだ。
「あー、えーっと……」
先ほどの溌剌とした明るい喋り方からは打って変わって、エミはなにやら言いにくそうにもごもごと言葉を濁し始める。よほど言いにくい事情があるのだろう。
ディルは特にそれ以上は言及せず、ただひらひらと手を振った。
「言いたくないなら、言わなくていい。私にとっては、お前の過去などつゆほども興味がないからな。いちおう確認しておくが、聖女は私の婚約者としてここに来たんだな? それならば近々結婚式をあげるとしよう」
「……へっ、あたしとハクシャクの結婚は決定ってコト!?」