ギャルは聖女で世界を救う! ―王子に婚約破棄されたけど、天才伯爵に溺愛されて幸せなのでおけまるです!―
メアリーは苦笑しながらもメイドたちに注意し、そしてエミの肩を抱いた。
「実を言えば、メアリーめはエミ様が首都に行かれると聞いて、少しホッとしているのですよ。エミ様は頑なに暖かい恰好をしてくださらないので、きっとガシュバイフェンの厳しい冬は越せないと思っていましたから」
メアリーはここのところ毎朝、エミにぶ厚い綿が入った毛織物のドレスを着るように勧めていた。しかし、エミはそのいささかモッサリとしたドレスを、「ギャル的にそれはナシでーす」と拒否し続けていたのだ。
「ギャルのミニスカは根性だし、心配しなくていいよぉ~」
「この歳になるとね、若い娘さんは全員くまなく心配して口を挟まないとと気が済まないんです。それに、偉大なる聖女様にこのようなことを言うのもおこがましいですが、エミ様は実の娘のように大事に思っていますから」
そう言いながら、メアリーは一層強くエミを抱きしめる、ギラリと目を光らせた。
「もし何か嫌なことがあれば、すぐに私にお手紙をください。このメアリー、エミ様の要請があればすぐに首都に向かいますよ。特にあのカタブツの冷血伯爵様がなにかしでかしたら、愛用の箒で背中を一発バシっと……」
「実を言えば、メアリーめはエミ様が首都に行かれると聞いて、少しホッとしているのですよ。エミ様は頑なに暖かい恰好をしてくださらないので、きっとガシュバイフェンの厳しい冬は越せないと思っていましたから」
メアリーはここのところ毎朝、エミにぶ厚い綿が入った毛織物のドレスを着るように勧めていた。しかし、エミはそのいささかモッサリとしたドレスを、「ギャル的にそれはナシでーす」と拒否し続けていたのだ。
「ギャルのミニスカは根性だし、心配しなくていいよぉ~」
「この歳になるとね、若い娘さんは全員くまなく心配して口を挟まないとと気が済まないんです。それに、偉大なる聖女様にこのようなことを言うのもおこがましいですが、エミ様は実の娘のように大事に思っていますから」
そう言いながら、メアリーは一層強くエミを抱きしめる、ギラリと目を光らせた。
「もし何か嫌なことがあれば、すぐに私にお手紙をください。このメアリー、エミ様の要請があればすぐに首都に向かいますよ。特にあのカタブツの冷血伯爵様がなにかしでかしたら、愛用の箒で背中を一発バシっと……」