ギャルは聖女で世界を救う! ―王子に婚約破棄されたけど、天才伯爵に溺愛されて幸せなのでおけまるです!―
「うーん、否定できないな。……とにかく、こちらの都合で急に呼び出してすまないね。お父様が、どうしても君の力が必要みたいなんだ。それに、サクラもエミ嬢にどうしても会いたがっていてね」
「私が首都に来るのはともかく、私の婚約者だけは連れてきたくなかったのですが……」
「そんな顔をしないでおくれよ。父上はともかく、サクラの暴走を止められなかったのは、申し訳なく思ってるんだから。それはそうとして、言っておかなきゃいけないことがあるんだけど……」
ロイは一瞬言いよどむと、ディルの耳元で囁いた。
「第一王子とその派閥の動きがどうも怪しい。身内争いに巻き込むつもりはないけど、ソーオン伯も十分気を付けて」
「……御意」
ディルは思いっきり苦い顔をして頷く。ロイは「ごめんね」と両手を合わせると、早足でサクラとエミのあとを追った。
ディルは重いため息をつく。「巻き込むつもりはない」と言いながらも、このようなことをロイが口にしたということは、巻き込んでしまう可能性が高いということだろう。まったく、面倒なことこの上ない。
「私が首都に来るのはともかく、私の婚約者だけは連れてきたくなかったのですが……」
「そんな顔をしないでおくれよ。父上はともかく、サクラの暴走を止められなかったのは、申し訳なく思ってるんだから。それはそうとして、言っておかなきゃいけないことがあるんだけど……」
ロイは一瞬言いよどむと、ディルの耳元で囁いた。
「第一王子とその派閥の動きがどうも怪しい。身内争いに巻き込むつもりはないけど、ソーオン伯も十分気を付けて」
「……御意」
ディルは思いっきり苦い顔をして頷く。ロイは「ごめんね」と両手を合わせると、早足でサクラとエミのあとを追った。
ディルは重いため息をつく。「巻き込むつもりはない」と言いながらも、このようなことをロイが口にしたということは、巻き込んでしまう可能性が高いということだろう。まったく、面倒なことこの上ない。