ギャルは聖女で世界を救う! ―王子に婚約破棄されたけど、天才伯爵に溺愛されて幸せなのでおけまるです!―
「断言しますが、私は聖女エミを危険だと思ったことは一度もありません」
「しかし、ドラゴンの一件もあっただろう。あの伝説のドラゴンを、あの女め、一撃で倒したそうじゃないか。何と恐ろしい!」
「ドラゴンからこの国を救ったのは、間違いなく聖女エミ自身です。その点をお忘れならぬよう」
「いや、それはそうなのだが、その賢い頭でよく考えればわかることだろう。あの珍奇な聖女の魔力は、あまりにも危険すぎる。エリックも常々言っていたが、あの聖女がこの国に居座られては困るのだ。アレが危険でなくて、なんだと言う――」
ガン、というテーブルを叩く鈍い音が、国王の長々とした言葉を遮った。ディルがマホガニーでできたテーブルを拳で叩いたのだ。
サンドリッヒの巨躯が一瞬にして縮こまった。
「私の婚約者を、今『アレ』呼ばわりしましたか? この国を救った、救国の聖女を!」
「そ、そこまで怒らなくてもいいではないか! ディルのいけず!」
「聖女エミは、私の大事な婚約者です。私の婚約者の身を脅かすような発言を繰り返す場合は、彼女を連れて国外逃亡も視野に入れましょう。実は隣国の宰相から、右腕にならないかとスカウトされているのですよ」
「しかし、ドラゴンの一件もあっただろう。あの伝説のドラゴンを、あの女め、一撃で倒したそうじゃないか。何と恐ろしい!」
「ドラゴンからこの国を救ったのは、間違いなく聖女エミ自身です。その点をお忘れならぬよう」
「いや、それはそうなのだが、その賢い頭でよく考えればわかることだろう。あの珍奇な聖女の魔力は、あまりにも危険すぎる。エリックも常々言っていたが、あの聖女がこの国に居座られては困るのだ。アレが危険でなくて、なんだと言う――」
ガン、というテーブルを叩く鈍い音が、国王の長々とした言葉を遮った。ディルがマホガニーでできたテーブルを拳で叩いたのだ。
サンドリッヒの巨躯が一瞬にして縮こまった。
「私の婚約者を、今『アレ』呼ばわりしましたか? この国を救った、救国の聖女を!」
「そ、そこまで怒らなくてもいいではないか! ディルのいけず!」
「聖女エミは、私の大事な婚約者です。私の婚約者の身を脅かすような発言を繰り返す場合は、彼女を連れて国外逃亡も視野に入れましょう。実は隣国の宰相から、右腕にならないかとスカウトされているのですよ」