ギャルは聖女で世界を救う! ―王子に婚約破棄されたけど、天才伯爵に溺愛されて幸せなのでおけまるです!―
聖女、爆買いする!
首都に到着してから四日後、聖女エミはとある神殿にいた。奉仕活動をするというサクラの付き添いだ。興味本位でここに来ただけなので、特にやることはない。――というわけで、教壇から離れた場所に置いてある椅子に座ったエミは、何をするでもなくただぼんやりとしていた。
「なんか、こういう何もしない感じの時間、久しぶりってゆーか、異世界にきて初めてかも……」
エミはぽつりとつぶやく。
第一王子の婚約者として王宮にいた時は、王妃教育で一日のスケジュールが埋まっていた。ガシュバイフェンにいた時ですら、エミはなんだかんだで、掃除や洗濯など、常にやることがあった。なんせ広い屋敷に、限られた数のメイドたちしかいなかったのだ。やるべきことは探せばいくらでもあったのである。
しかし、首都に来てからエミの生活は一変した。
掃除をしようとすれば箒を取り上げられ、洗濯をしようとすれば、すぐにメイドたちが飛んでくる。至れり尽くせりではあるものの、エミにとっては物足りない。
その上、婚約者のディルにも、首都に来てからは一度も会えていなかった。「しばらく忙しいから会えなくなる」という旨の短い言付けがあったきりだ。
「なんか、こういう何もしない感じの時間、久しぶりってゆーか、異世界にきて初めてかも……」
エミはぽつりとつぶやく。
第一王子の婚約者として王宮にいた時は、王妃教育で一日のスケジュールが埋まっていた。ガシュバイフェンにいた時ですら、エミはなんだかんだで、掃除や洗濯など、常にやることがあった。なんせ広い屋敷に、限られた数のメイドたちしかいなかったのだ。やるべきことは探せばいくらでもあったのである。
しかし、首都に来てからエミの生活は一変した。
掃除をしようとすれば箒を取り上げられ、洗濯をしようとすれば、すぐにメイドたちが飛んでくる。至れり尽くせりではあるものの、エミにとっては物足りない。
その上、婚約者のディルにも、首都に来てからは一度も会えていなかった。「しばらく忙しいから会えなくなる」という旨の短い言付けがあったきりだ。