ギャルは聖女で世界を救う! ―王子に婚約破棄されたけど、天才伯爵に溺愛されて幸せなのでおけまるです!―
ハクシャク、という単語を聞いたサクラの眉がぴくりと動く。
「ああ、エミたそのクローゼットの中に入っていたアレね……。悔しいけど、あれはエミたそに似合うわ。でもね、今から行くところは王族御用達の腕のいいブティックなの。私がもっと良い、エミたそにピッタリなドレスをプレゼントするわ! ふふふ、田舎の小金持ちごときじゃ絶対に手に入らない最高級品で勝負よ!」
サクラはメラメラとディルに対抗意識を燃やしていた。絶対に、この戦いに負けたくないと息巻いている。
一方のエミは申し訳なさそうにうつむいた。
「それはちょっとなんか、悪いかなーって……」
「大丈夫よ! 神殿と貴族からのお布施でガッポリ稼いでるからっ!」
どんと胸を叩いたサクラは高笑いをする。しかし、「馬車の用意ができましたよ」と護衛騎士が神殿に入ってきた瞬間、サクラは聖女らしいおしとやかな笑顔に切り替えた。早業である。
ふたりは馬車に乗り込み、中心街にあるというブティックに向かう。この首都では一、二を争う有名店だ。
そこから、エミにとっては嵐のような展開が待っていた。
「ああ、エミたそのクローゼットの中に入っていたアレね……。悔しいけど、あれはエミたそに似合うわ。でもね、今から行くところは王族御用達の腕のいいブティックなの。私がもっと良い、エミたそにピッタリなドレスをプレゼントするわ! ふふふ、田舎の小金持ちごときじゃ絶対に手に入らない最高級品で勝負よ!」
サクラはメラメラとディルに対抗意識を燃やしていた。絶対に、この戦いに負けたくないと息巻いている。
一方のエミは申し訳なさそうにうつむいた。
「それはちょっとなんか、悪いかなーって……」
「大丈夫よ! 神殿と貴族からのお布施でガッポリ稼いでるからっ!」
どんと胸を叩いたサクラは高笑いをする。しかし、「馬車の用意ができましたよ」と護衛騎士が神殿に入ってきた瞬間、サクラは聖女らしいおしとやかな笑顔に切り替えた。早業である。
ふたりは馬車に乗り込み、中心街にあるというブティックに向かう。この首都では一、二を争う有名店だ。
そこから、エミにとっては嵐のような展開が待っていた。