ギャルは聖女で世界を救う! ―王子に婚約破棄されたけど、天才伯爵に溺愛されて幸せなのでおけまるです!―
 ブティックでは、サクラはエミのために数着ドレスをオーダーした。エミは大いに渋ったものの、サクラはそれを華麗に無視した。
 次に向かったのはヴィンセント宝飾店という名の巨大なアクセサリーショップで、そこでもサクラは当たり前のように爆買いした。エミはおそるおそる近くにあったアクセサリーの価格をみて「0がいっぱいあるぅ……」と眩暈をおこし、しばらく動けなくなった。
 その次は靴屋、その次は鞄屋と何軒も梯子したため、帰りの馬車はふたりが乗る馬車の他に、荷物を載せるためにもう一台呼んだほどだ。
 ふたりがようやく白亜の城に戻ったのは、日もとっぷり暮れたころだった。

「今日は付き合ってくれてありがとう」

 エミのためにとっておきの紅茶を丁寧に淹れつつ、サクラはニコニコと微笑んだ。夕飯と湯浴みが終わったふたりは、ガールズトークのために再び部屋に集まっている。

「あんなにいっぱい買ったの久しぶりだったなぁ。すごく楽しかったけど、エミたそは楽しめた?」
「楽しかったよぉ~! サクぴ、いろいろ買ってくれてマジでありがとね♡」
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