ギャルは聖女で世界を救う！ ―王子に婚約破棄されたけど、天才伯爵に溺愛されて幸せなのでおけまるです！―

「そんなことないわよ！　とにかく、なんでもいいから、エミたそのやりたいことを教えてほしいの」

　予期せぬ質問に、エミは驚いた顔をする。まさか、そんな質問をされるとは考えてもいなかったのだ。
　いつものエミであれば、「ええ、別にないよぉ」と軽く流してしまうだろう。しかし、ここで遠慮するのも水くさい。
　エミは少し考えた後、おずおずと口を開いた。

「じゃあさ、めっちゃ暇なときで全然いいんだけど、魔法の先生を探してくれないかな。あたし、魔法のこと全然知らないから勉強したくて。そしたらハクシャクの研究にも役立ちそうだし、サクぴみたいにみんなの役にも立てるかもしれないし……」
「チッ、ここに来てあの男のためって一番に言われたら、なんとか断固阻止したくなるわね……。でも、分かったわ。私の威信にかけて、最高の魔道士を用意させてもらうわ」
「や～ん、サクぴ頼もしすぎてヤバた～ん♡」
「エミたそのお願いなら何でもきいちゃうからね♡」

　サクラはエミの首に手を回し、頬ずりをした。