ギャルは聖女で世界を救う! ―王子に婚約破棄されたけど、天才伯爵に溺愛されて幸せなのでおけまるです!―
王子、口説く!
「あっ、王子じゃん。ちょりーすっす~~う! こんな夜遅くに会うなんて偶然だね~」
暗闇から急に現れた元婚約者に多少は驚いたものの、エミはいつも通り微笑んでバチンとウィンクする。通常運転だ。エリックはあからさまにあきれた顔をしてみせた。
「お前、本気でこんな時間に俺と偶然会ったと思っているのか?」
「え、うん」
「馬鹿め、待ち伏せしていたんだよ。お前がひとりになる時間を、俺はずっと狙っていたというわけだ」
エリックはふっと額にかかった前髪をはらう。
「第一王子である俺に、ここまでさせるほど――」
「げげーっ、ヤバ! ストーカーじゃん! さすがのあたしでもちょっと引くんだけど!」
「この国の王子をストーカー呼ばわりするな! まったく、無礼で不敬にもほどがあるぞ! ……まあ良い。異世界にきたお前はまだこの国の作法に不慣れなのだろう。それに免じて、寛大な心で許してやろう!」
エミの指摘は正論だったものの、エリックは謝るどころか逆ギレして開き直った。性格の悪さは相変わらずのようだ。
暗闇から急に現れた元婚約者に多少は驚いたものの、エミはいつも通り微笑んでバチンとウィンクする。通常運転だ。エリックはあからさまにあきれた顔をしてみせた。
「お前、本気でこんな時間に俺と偶然会ったと思っているのか?」
「え、うん」
「馬鹿め、待ち伏せしていたんだよ。お前がひとりになる時間を、俺はずっと狙っていたというわけだ」
エリックはふっと額にかかった前髪をはらう。
「第一王子である俺に、ここまでさせるほど――」
「げげーっ、ヤバ! ストーカーじゃん! さすがのあたしでもちょっと引くんだけど!」
「この国の王子をストーカー呼ばわりするな! まったく、無礼で不敬にもほどがあるぞ! ……まあ良い。異世界にきたお前はまだこの国の作法に不慣れなのだろう。それに免じて、寛大な心で許してやろう!」
エミの指摘は正論だったものの、エリックは謝るどころか逆ギレして開き直った。性格の悪さは相変わらずのようだ。