ギャルは聖女で世界を救う! ―王子に婚約破棄されたけど、天才伯爵に溺愛されて幸せなのでおけまるです!―
突然の一言に、さすがのエミも驚いてリアクションが一瞬遅れた。当然だ。数ヶ月前に自分から婚約破棄をしておいて、次は自分の妾になれといっているのだ。あまりにも身勝手すぎて、善良なエミの頭では理解が追い付かなかった。
「え、ええっと、め、妾ってたしか、2番目の奥さんとかそーゆー意味だったよね?」
「そうだ。この俺の妾になれるなんて、この国の女にとって上から二番目の名誉だ。最高の名誉は、俺の妻になることだが、お前のようなふつつか者にその名誉を与えては俺の名が汚れる。まあ、寛大な俺はお前を選んでやるのだ。だからお前は光栄に――」
「ちょい待ち! あたし、もう婚約してる! 超イケメてる彼ぴがいるんだけど!」
エミが言う。しかし、エリックはせせら笑った。
「ふん。それでは、お前の左手の薬指にはなぜ何もない? 指輪をしていないということは、察するにプロポーズもまだされていないのだろう?」
「そ、それは……」
「ほら、やっぱりそうだ」
鎌をかけられてしまったらしいと気づいたエミは、はっとして口元に手を当てる。しかし、時すでに遅し。エミの素直な反応は、エリックの邪推を肯定するに十分だった。
「え、ええっと、め、妾ってたしか、2番目の奥さんとかそーゆー意味だったよね?」
「そうだ。この俺の妾になれるなんて、この国の女にとって上から二番目の名誉だ。最高の名誉は、俺の妻になることだが、お前のようなふつつか者にその名誉を与えては俺の名が汚れる。まあ、寛大な俺はお前を選んでやるのだ。だからお前は光栄に――」
「ちょい待ち! あたし、もう婚約してる! 超イケメてる彼ぴがいるんだけど!」
エミが言う。しかし、エリックはせせら笑った。
「ふん。それでは、お前の左手の薬指にはなぜ何もない? 指輪をしていないということは、察するにプロポーズもまだされていないのだろう?」
「そ、それは……」
「ほら、やっぱりそうだ」
鎌をかけられてしまったらしいと気づいたエミは、はっとして口元に手を当てる。しかし、時すでに遅し。エミの素直な反応は、エリックの邪推を肯定するに十分だった。