ギャルは聖女で世界を救う! ―王子に婚約破棄されたけど、天才伯爵に溺愛されて幸せなのでおけまるです!―
「ソーオン伯は職務が終わると足早に王宮を抜け出すらしい。夜にひとりで男が出かける場所といったら、なんとなく想像はつく。おおかた、花街にでかけるか、首都にいるなじみの女にでも会いに行っているんだろう」
確かに、この首都に来て四日、ディルは短い言付けをしたきり、何の連絡もよこさない。しかし、エミも忙しいディルの身を案じて、会いに行くのは我慢していた。
しかし、ディルがまさか夜な夜な出かけているとは。
ショックを受けて黙り込むエミを、エリックは耳障りな声であざ笑う。
「諦めろ、聖女エミよ。お前のような珍奇な女は、どうせ誰にも愛されない運命なのだ。しかし、そんなお前を、第一王子であるこの俺が妾にしてやると言っている。これは、お前にとっても悪い話ではないはずだが」
「でも、あたし、ハクシャクのこと好きだし……」
「ふん。お前が好きでも、あの男はどうだかな。俺だったら、お前のような凶暴な女もうまく使ってやる。俺の役に立ったら、可愛がってやるぞ」
エリックが手を伸ばし、無造作にエミの顎をつかんだ。品定めをするようなまなざしで、エリックは無遠慮にエミをじろじろ見つめる。
確かに、この首都に来て四日、ディルは短い言付けをしたきり、何の連絡もよこさない。しかし、エミも忙しいディルの身を案じて、会いに行くのは我慢していた。
しかし、ディルがまさか夜な夜な出かけているとは。
ショックを受けて黙り込むエミを、エリックは耳障りな声であざ笑う。
「諦めろ、聖女エミよ。お前のような珍奇な女は、どうせ誰にも愛されない運命なのだ。しかし、そんなお前を、第一王子であるこの俺が妾にしてやると言っている。これは、お前にとっても悪い話ではないはずだが」
「でも、あたし、ハクシャクのこと好きだし……」
「ふん。お前が好きでも、あの男はどうだかな。俺だったら、お前のような凶暴な女もうまく使ってやる。俺の役に立ったら、可愛がってやるぞ」
エリックが手を伸ばし、無造作にエミの顎をつかんだ。品定めをするようなまなざしで、エリックは無遠慮にエミをじろじろ見つめる。