ギャルは聖女で世界を救う! ―王子に婚約破棄されたけど、天才伯爵に溺愛されて幸せなのでおけまるです!―
「ちょっと、お風呂入って化粧オフってるってぇ! ジッと見るのは、ちょっと……」
首を振ってエミは必死で抵抗するものの、エリックの手はびくともしなかった。
「……前々から思っていたのだが、お前は化粧を落とせばなかなか悪くないではないか。体つきも、まあ痩せぎすではあるが、それはそれで趣がある」
「や、やだっ……!」
「ふん、お前ごときに拒否権があると思うなよ」
ずい、とエリックが近寄った。不快な吐息が頬にかかり、エミは全身が粟立つのを感じた。
「だ、誰かたすけて……」
「馬鹿めが。お前なんて誰も助けるわけがないだろう。お前の頼りの聖女サクラもここにはいない」
「は、ハクシャク……っ」
思わずその名前呼んだ次の瞬間、廊下を走る足音がした。その足音は、どんどん近づいてくる。こちらへ向かっているようだ。
エリックは不快そうに顔をゆがめた。
「誰だ、こんな夜に騒がしく廊下を走るヤツ――……、ぐえっ」
みなまで言う前に、エリックの首根っこを誰かがつかみ、エミから無理矢理引き剥がす。
「私の婚約者に、なにをしているのです!」
そこに現れたのは、ディル・K・ソーオンその人だった。
首を振ってエミは必死で抵抗するものの、エリックの手はびくともしなかった。
「……前々から思っていたのだが、お前は化粧を落とせばなかなか悪くないではないか。体つきも、まあ痩せぎすではあるが、それはそれで趣がある」
「や、やだっ……!」
「ふん、お前ごときに拒否権があると思うなよ」
ずい、とエリックが近寄った。不快な吐息が頬にかかり、エミは全身が粟立つのを感じた。
「だ、誰かたすけて……」
「馬鹿めが。お前なんて誰も助けるわけがないだろう。お前の頼りの聖女サクラもここにはいない」
「は、ハクシャク……っ」
思わずその名前呼んだ次の瞬間、廊下を走る足音がした。その足音は、どんどん近づいてくる。こちらへ向かっているようだ。
エリックは不快そうに顔をゆがめた。
「誰だ、こんな夜に騒がしく廊下を走るヤツ――……、ぐえっ」
みなまで言う前に、エリックの首根っこを誰かがつかみ、エミから無理矢理引き剥がす。
「私の婚約者に、なにをしているのです!」
そこに現れたのは、ディル・K・ソーオンその人だった。