ギャルは聖女で世界を救う! ―王子に婚約破棄されたけど、天才伯爵に溺愛されて幸せなのでおけまるです!―
どちらのものかわからない唾液が、エミの口の端からとろりと垂れた。それを、ディルはベロリと舐めあげる。
「ん……、ハクシャク……」
とろんとした目でエミがディルを見つめたその瞬間、ディルの身体が急に斜めになり、エミの身体にどすん、と落ちてくる。
ディルの身体の下敷きになったエミが悲鳴をあげる。
「うわーっ、ハクシャク!? どうしたの!?」
「すまない……。眠い……」
「ええーっ!」
よりにもよってこのタイミングである。
「五分だけで……いい……」
「わー、いくらでも寝てもいいから、ちょっと寝るのタンマ! まって、重いよーっ!」
鍛えていない割にはそこそこ筋肉もあり、平均より身長が高いディルは、かなり重いのだ。小柄なエミはひとたまりもない。
エミは四苦八苦しながらなんとかディルのがっしりした身体の下から脱出すると、ほっと安堵の息をついた。
改めて見てみると、久しぶりのディルは、ひどく疲れた顔をしていた。いつもの覇気はなく、なんとなくやつれた気がする。エミは心配そうな顔をした。
「ん……、ハクシャク……」
とろんとした目でエミがディルを見つめたその瞬間、ディルの身体が急に斜めになり、エミの身体にどすん、と落ちてくる。
ディルの身体の下敷きになったエミが悲鳴をあげる。
「うわーっ、ハクシャク!? どうしたの!?」
「すまない……。眠い……」
「ええーっ!」
よりにもよってこのタイミングである。
「五分だけで……いい……」
「わー、いくらでも寝てもいいから、ちょっと寝るのタンマ! まって、重いよーっ!」
鍛えていない割にはそこそこ筋肉もあり、平均より身長が高いディルは、かなり重いのだ。小柄なエミはひとたまりもない。
エミは四苦八苦しながらなんとかディルのがっしりした身体の下から脱出すると、ほっと安堵の息をついた。
改めて見てみると、久しぶりのディルは、ひどく疲れた顔をしていた。いつもの覇気はなく、なんとなくやつれた気がする。エミは心配そうな顔をした。