ギャルは聖女で世界を救う! ―王子に婚約破棄されたけど、天才伯爵に溺愛されて幸せなのでおけまるです!―
婚約者、来る!
ある日の昼下がり、白亜の城の広大な庭園で、ティーパーティーがひらかれた。非公式の会とはいえ、参加している人々はそれなりに着飾っている。それもそのはず、主催者は第二王子の婚約者である聖女サクラだ。
次期国王の婚約者であるサクラに、今のうちからなんとか気に入られようと、招待された客たちは虎視眈々と目を光らせていた。一見きらびやかな社交界は、水面下でドロドロとした醜い争いが繰り広げられているのだ。
そんな思惑飛び交うパーティーを尻目に、もう一人の聖女であるエミは庭園の隅っこのベンチでぐったりしていた。
「あー……。疲れた……」
魂が抜けたようなふにゃふにゃな声で、エミは呟く。
今日のエミは、いつものエミらしくない格好だった。淡い桃色のドレスに、髪はすっきりと真珠がついたバレッタでまとめている。
その上、今日は付けまつげも、派手なマニキュアも派手なメイクもしていない。サクラとサクラ専属のメイドたちがエミのメイクを無理やり剥ぎ取り、これまた無理やり一般的なメイク――、エミ流にいえば「ほぼスッピン風メイク」をほどこしたのだ。
次期国王の婚約者であるサクラに、今のうちからなんとか気に入られようと、招待された客たちは虎視眈々と目を光らせていた。一見きらびやかな社交界は、水面下でドロドロとした醜い争いが繰り広げられているのだ。
そんな思惑飛び交うパーティーを尻目に、もう一人の聖女であるエミは庭園の隅っこのベンチでぐったりしていた。
「あー……。疲れた……」
魂が抜けたようなふにゃふにゃな声で、エミは呟く。
今日のエミは、いつものエミらしくない格好だった。淡い桃色のドレスに、髪はすっきりと真珠がついたバレッタでまとめている。
その上、今日は付けまつげも、派手なマニキュアも派手なメイクもしていない。サクラとサクラ専属のメイドたちがエミのメイクを無理やり剥ぎ取り、これまた無理やり一般的なメイク――、エミ流にいえば「ほぼスッピン風メイク」をほどこしたのだ。