ギャルは聖女で世界を救う! ―王子に婚約破棄されたけど、天才伯爵に溺愛されて幸せなのでおけまるです!―
パーティー会場の空気は冷え冷えとしていた。冷たい木枯らしがただ広い庭の木々を揺らす。
緊迫した空気が漂うなか、すっかり蚊帳の外だったエミがおずおずと口を開いた。
「……えーっと、アっちゃんはそれでいいの?」
予期せぬ一言だった。アレキセーヌは不可解な顔をする。
「……なにをおっしゃっていますの? 別に構いませんことよ。わたくし、金と権力のある男の子種は人類の共有財産だと思ってますの。ですから、エリック様がエミ様を妾として王宮に迎えても、わたくしは歓迎します。なんでしたら、エリック様には酒池肉林してもらっても構わな……」
「ウワーッ! ちょっと、エミたその耳が穢れちゃうでしょ! それ以上喋るの止めてくれない!?」
「オホホ、サクラ様はまだまだ甘いですわねぇ。恋愛だの幸せだの、貴族の子女に生まれた以上は諦めればなりませんのよ。わたくしたちは、家門のために尽くすのがお役目ですもの」
きっぱりと言い放つアレキセーヌを、エミは相変わらずじっと見つめている。そのまっすぐな瞳は、心配そうな色が浮かんでいた。
「それって、本心なの? アッちゃんは、傷ついてない?」
緊迫した空気が漂うなか、すっかり蚊帳の外だったエミがおずおずと口を開いた。
「……えーっと、アっちゃんはそれでいいの?」
予期せぬ一言だった。アレキセーヌは不可解な顔をする。
「……なにをおっしゃっていますの? 別に構いませんことよ。わたくし、金と権力のある男の子種は人類の共有財産だと思ってますの。ですから、エリック様がエミ様を妾として王宮に迎えても、わたくしは歓迎します。なんでしたら、エリック様には酒池肉林してもらっても構わな……」
「ウワーッ! ちょっと、エミたその耳が穢れちゃうでしょ! それ以上喋るの止めてくれない!?」
「オホホ、サクラ様はまだまだ甘いですわねぇ。恋愛だの幸せだの、貴族の子女に生まれた以上は諦めればなりませんのよ。わたくしたちは、家門のために尽くすのがお役目ですもの」
きっぱりと言い放つアレキセーヌを、エミは相変わらずじっと見つめている。そのまっすぐな瞳は、心配そうな色が浮かんでいた。
「それって、本心なの? アッちゃんは、傷ついてない?」