ギャルは聖女で世界を救う! ―王子に婚約破棄されたけど、天才伯爵に溺愛されて幸せなのでおけまるです!―
よく聞き慣れた声があたりに響きわたり、あたりに激しい雨が降った。もうもうと煙をあげながら、炎はあっという間に鎮火する。
あれほど強力な魔法が使える人間は、この王国にひとりしかいない。
「やはりうちの聖女か……っ!」
なぜかトラブルのど真ん中には、いつも聖女エミがいるのだ。そういう星の下に生まれたとしか思えない。
ディルは人ごみをかき分けてエミの元へむかい、腕をつかむ。
「おい、そこの聖女!」
振り返ったエミが、ディルの姿を見た瞬間、飛びあがらんばかりに驚いた。
「ふぇッ、ハクシャク!? あ、アタシ、聖女ジャナイヨー!」
「見え透いた嘘をつくな! お前はなんでいつもこう……っ! まあいい、聞きたいことは山ほどあるが、今はそれどころではない」
爆発は一カ所ではなかったため、今すぐにでもエミの魔法が必要だとディルは判断した。今は一分一秒を争う緊急事態だ。
「魔力にまだ余裕はあるか? 爆発は一カ所ではなかった。おそらく、すぐに消し止めなければ城下町一帯が火の海になる。クソ、いっそ、さっさと雨でも降ってくれれば楽なんだが……」
あれほど強力な魔法が使える人間は、この王国にひとりしかいない。
「やはりうちの聖女か……っ!」
なぜかトラブルのど真ん中には、いつも聖女エミがいるのだ。そういう星の下に生まれたとしか思えない。
ディルは人ごみをかき分けてエミの元へむかい、腕をつかむ。
「おい、そこの聖女!」
振り返ったエミが、ディルの姿を見た瞬間、飛びあがらんばかりに驚いた。
「ふぇッ、ハクシャク!? あ、アタシ、聖女ジャナイヨー!」
「見え透いた嘘をつくな! お前はなんでいつもこう……っ! まあいい、聞きたいことは山ほどあるが、今はそれどころではない」
爆発は一カ所ではなかったため、今すぐにでもエミの魔法が必要だとディルは判断した。今は一分一秒を争う緊急事態だ。
「魔力にまだ余裕はあるか? 爆発は一カ所ではなかった。おそらく、すぐに消し止めなければ城下町一帯が火の海になる。クソ、いっそ、さっさと雨でも降ってくれれば楽なんだが……」