ギャルは聖女で世界を救う! ―王子に婚約破棄されたけど、天才伯爵に溺愛されて幸せなのでおけまるです!―
「ちょっと提案なんだけど、街全体に雨を降らせちゃダメ?」
「お前は、いつのまにそんなことができるようになった!? ……西の外れの地域だけ除外して雨を降らせることも可能か?」
「えーっとぉ、やってみる! ……よし、いっちょかますよお~♡」
エミが片手をあげると、巨大な煙のようなものが膨れ上がった。その煙は雲となって、西の外れの地域以外の街全体を覆う。雲はやがて雷雨を呼び、辺り一帯バケツをひっくり返したような雨が降りはじめる。
街中で燃えさかっていた炎は、あっという間に消えていく。強すぎるほどの雨のなか、逃げ惑っていた人々は足を止め、歓喜の声をあげた。
「急に雨が降ってきたぞ! き、奇跡だ! サンクトハノーシュ王国を、ミガレット神は見捨てなかった!」
「自然の恵みではない! あれは、魔法だ! 魔法を使ったあのお方は……、聖女エミ様ではないか!? サクラ様と一緒に歩いているのを見たことがあるぞ!」
「その横にいらっしゃるのは、この国随一の天才、ソーオン伯爵だ!」
遠巻きに尊敬のまなざしを向けられたディルとエミはといえば、強すぎる雨に悲鳴をあげていた。
「お前は、いつのまにそんなことができるようになった!? ……西の外れの地域だけ除外して雨を降らせることも可能か?」
「えーっとぉ、やってみる! ……よし、いっちょかますよお~♡」
エミが片手をあげると、巨大な煙のようなものが膨れ上がった。その煙は雲となって、西の外れの地域以外の街全体を覆う。雲はやがて雷雨を呼び、辺り一帯バケツをひっくり返したような雨が降りはじめる。
街中で燃えさかっていた炎は、あっという間に消えていく。強すぎるほどの雨のなか、逃げ惑っていた人々は足を止め、歓喜の声をあげた。
「急に雨が降ってきたぞ! き、奇跡だ! サンクトハノーシュ王国を、ミガレット神は見捨てなかった!」
「自然の恵みではない! あれは、魔法だ! 魔法を使ったあのお方は……、聖女エミ様ではないか!? サクラ様と一緒に歩いているのを見たことがあるぞ!」
「その横にいらっしゃるのは、この国随一の天才、ソーオン伯爵だ!」
遠巻きに尊敬のまなざしを向けられたディルとエミはといえば、強すぎる雨に悲鳴をあげていた。