ギャルは聖女で世界を救う! ―王子に婚約破棄されたけど、天才伯爵に溺愛されて幸せなのでおけまるです!―
「ああ、ド〇キホーテってこっちにないもんねえ。激安の殿堂なんだけど、なんでもあるすごい店でぇ! あたしこっちの世界に来るときに、神様にさぁ『異世界でもギャル続けたいから、ド〇キで売ってる化粧品が好きなだけ出てくるコスメボックスがほしい』ってお願いしたの」
「……まて、異世界から聖女がくる際に神は何でも一つ願いをかなえると文献で読んだことがあるが、お前はそんなくだらない願いを神に祈ったというのか!? ほかに願うことがあっただろう!」
「いやいやいや、ギャルは化粧が命だからね~~? 化粧ないとバイブス即死だから!!」

 ディルの大真面目なツッコミを、エミもまた大真面目に一蹴する。ディルは深いため息をついた。

「それで、お前は文献で読むような聖女と違いすぎる気がするのだが、それはなぜだ? 今までの聖女は皆、一様に黒髪で楚々とした女人ばかりだったと聞くが……」
「ん~、なんかあたし、うっかり聖女に選ばれちゃった系なんだよねえ。聖女がギャルってウケるわ〜。あっ、もう一人の聖女のサクぴはハクシャクが言う感じの清楚系の女の子だよ~♡ か弱くて守りたくなる系の聖女で、めちゃんこカワイくてぇ」
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