ギャルは聖女で世界を救う! ―王子に婚約破棄されたけど、天才伯爵に溺愛されて幸せなのでおけまるです!―
「……ふむ。やはり私の計算は間違えていなかったようだ。古の魔法の理論によれば、晶核のエネルギーを越える魔力をぶつければ、その不安定な分子がエネルギー吸収をはじめるという。しかし、その法則を逆に利用すれば反作用として多少の魔力間摩擦が発生し……」
「いつもの呪文ウケる♡」
「おい、私の説明は呪文ではないと何度言ったら……」
ふたりはふいに至近距離で見つめあった。
エミのギャルメイクはボロボロで、あれほどこだわったアイラインは消えかけ、右の付けまつげは爆風で飛んでいってしまっている。散々だ。
ディルはといえば、服はすすけてボロボロで、いつも隙なく整えられた髪はボサボサで、大変なことになっている。鼻の先は墨を塗ったように真っ黒だ。
あまりの惨状に、ふたりは同時に吹き出した。
「アハハ、今の状況マジやばたんすぎる! あたしたち、本当によく生き残ったねえ」
「……お前の魔力があったからだ。もしあの魔法が失敗していれば、今頃どうなっていたか……」
「あたしは大丈夫ってわかってたけど、ちょっとドキドキしたかも。これもスリルがあってたまにはいいよね」
「ドキドキ、した……?」
「いつもの呪文ウケる♡」
「おい、私の説明は呪文ではないと何度言ったら……」
ふたりはふいに至近距離で見つめあった。
エミのギャルメイクはボロボロで、あれほどこだわったアイラインは消えかけ、右の付けまつげは爆風で飛んでいってしまっている。散々だ。
ディルはといえば、服はすすけてボロボロで、いつも隙なく整えられた髪はボサボサで、大変なことになっている。鼻の先は墨を塗ったように真っ黒だ。
あまりの惨状に、ふたりは同時に吹き出した。
「アハハ、今の状況マジやばたんすぎる! あたしたち、本当によく生き残ったねえ」
「……お前の魔力があったからだ。もしあの魔法が失敗していれば、今頃どうなっていたか……」
「あたしは大丈夫ってわかってたけど、ちょっとドキドキしたかも。これもスリルがあってたまにはいいよね」
「ドキドキ、した……?」