ギャルは聖女で世界を救う! ―王子に婚約破棄されたけど、天才伯爵に溺愛されて幸せなのでおけまるです!―
「サクぴが心配しちゃうから、早くお城に帰らないと。……って、どうしたのハクシャク? いまさら腰抜けた感じ!?」

 なにげなく振り返ったエミが、急に跪いたディルにぎょっとした顔をする。その瞬間、ディルはパカッと小箱をあけた。
 小箱の中で繊細に光る指輪をみて、さすがのエミも硬直する。

「えーっと、なにこれ……?」
「……聖女エミよ、どうか私と結婚してくれないか!」
「はぇえ!?」

 完全に不意をつかれたエミは、気の抜けた声をあげた。
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