ギャルは聖女で世界を救う! ―王子に婚約破棄されたけど、天才伯爵に溺愛されて幸せなのでおけまるです!―
伯爵、(また)愛す! ※
その後、ディルとエミは誰にも見つからないよう、こっそり王宮に戻った。もし爆発騒ぎにエミが巻き込まれたとサクラが知れば、心配のあまり失神しかねないからだ。
国王の執務室がある西棟は蜂の巣をつついたような騒ぎだったものの、幸いなことにエミの部屋がある南棟にはほとんど人がいなかったため、誰にも気づかれることなく部屋まで帰ることができた。
自室のドアの前までくると、エミはそっとディルの頬に口づける。
「部屋まで送ってくれてありがと、あたしの大好きな旦那様♡」
エミに上目遣いで二カッと笑うと、ディルは天を仰いだ。
「プロポーズして、よかった……」
「えっ、なーに?」
「いや、なんでもない。当然のことをしたまでだ。……ところで聖女よ、今夜はお前の部屋で過ごしてもいいだろうか? 私の居室は王の居室の隣で、おそらく今日の一件であの辺り一帯はかなり騒がしいだろうし、私は、夜は静かに過ごしたいタイプで……」
ディルのどことなくいいわけがましい一言に、エミの目がパッと輝く。
国王の執務室がある西棟は蜂の巣をつついたような騒ぎだったものの、幸いなことにエミの部屋がある南棟にはほとんど人がいなかったため、誰にも気づかれることなく部屋まで帰ることができた。
自室のドアの前までくると、エミはそっとディルの頬に口づける。
「部屋まで送ってくれてありがと、あたしの大好きな旦那様♡」
エミに上目遣いで二カッと笑うと、ディルは天を仰いだ。
「プロポーズして、よかった……」
「えっ、なーに?」
「いや、なんでもない。当然のことをしたまでだ。……ところで聖女よ、今夜はお前の部屋で過ごしてもいいだろうか? 私の居室は王の居室の隣で、おそらく今日の一件であの辺り一帯はかなり騒がしいだろうし、私は、夜は静かに過ごしたいタイプで……」
ディルのどことなくいいわけがましい一言に、エミの目がパッと輝く。