ギャルは聖女で世界を救う! ―王子に婚約破棄されたけど、天才伯爵に溺愛されて幸せなのでおけまるです!―
王子、暴かれる!
翌朝、メイドが扉を叩く音で、エミとディルは目が覚めた。
「聖女エミ様、おはようございます。本日は、王の間にできるだけ早く来るようにとの命令が――……」
扉を開けたメイドはいったん言葉を句切る。ベッドの上には、まだ眠そうに目をこする聖女エミと、彼女の婚約者のディル・K・ソーオンがいた。ふたりがまとう気だるい雰囲気は、明らかに事後である。その上ディルは全裸だ。疑う余地もない。
しかし、事後の男女を見た程度で動揺していては王宮のメイドは務まらない。メイドは折り目正しく頭を下げた。
「ディル・K・ソーオン伯。国王陛下が昨晩から、閣下をお探しです。服をお召しになりましたら、聖女様と一緒に王の間へ向かっていただきますよう、よろしくお願いします」
「……気が進まないが、承知した。すまないが、服を一式私の部屋から持ってきてくれないか。訳あってボロボロになってしまったのだ」
「承知いたしました」
メイドはお辞儀をしてエミの部屋を去る。プロフェッショナルとして、彼女は最初から最後まで顔色一つ買えることはなかった。
しかし、彼女とて人間である。人並みに好奇心はあるわけで――
「服がボロボロになるなんて、昨晩はどういうプレイを楽しまれたのかしら……」
西棟に歩を進めるメイドは、思わずぽつりと呟いた。
「聖女エミ様、おはようございます。本日は、王の間にできるだけ早く来るようにとの命令が――……」
扉を開けたメイドはいったん言葉を句切る。ベッドの上には、まだ眠そうに目をこする聖女エミと、彼女の婚約者のディル・K・ソーオンがいた。ふたりがまとう気だるい雰囲気は、明らかに事後である。その上ディルは全裸だ。疑う余地もない。
しかし、事後の男女を見た程度で動揺していては王宮のメイドは務まらない。メイドは折り目正しく頭を下げた。
「ディル・K・ソーオン伯。国王陛下が昨晩から、閣下をお探しです。服をお召しになりましたら、聖女様と一緒に王の間へ向かっていただきますよう、よろしくお願いします」
「……気が進まないが、承知した。すまないが、服を一式私の部屋から持ってきてくれないか。訳あってボロボロになってしまったのだ」
「承知いたしました」
メイドはお辞儀をしてエミの部屋を去る。プロフェッショナルとして、彼女は最初から最後まで顔色一つ買えることはなかった。
しかし、彼女とて人間である。人並みに好奇心はあるわけで――
「服がボロボロになるなんて、昨晩はどういうプレイを楽しまれたのかしら……」
西棟に歩を進めるメイドは、思わずぽつりと呟いた。